第2話 正論⑵ カツアゲ


 真由美です。


 私の通う高校の通学路に大学があるんです。


 武道系?の大学なんでしょうか、結構怖めの大学生が沢山います。


 下校中、その大学の門の前に人集りが出来ていました。

通りすがりにちらっと見てみると、この前のあの人がいました。


 イカの怪人です。イカルガ?とかなんとか自己紹介してましたかね?


 何しているんだろう?と覗いてみると、怖そうな学ランを着た大学生数人に囲まれていました。

小突かれたり、胸を掴まれたり、どうやら絡まれているみたいです。


 野次馬の人達は絡んでいる大学生がスマホで撮影してる事もあって動画の撮影しているくらいの感じで見ているようでした。


 その野次馬の中に、この前わたしを助けてくれたセイロンマンさん?がいました。


 あっと思って、思わず声をかけてしまいました。


「あの、セイロン……さん」


「ん、あぁ、この前の娘」


「あの、あれ、助けないんですか?」


「あれとは、大学生か?それともイカの方か?」


「えっと……イカ?の方」


「娘、君はこの前あのイカに攫われかけたのに同情するのか?」


「でも、小突かれたり、膝蹴りされたり、あっ今、顔のゲソをもがれちゃいました」


「ゲソをもがれているが、心配ない。あのイカは今、絡まれているのではなく、必死に仕事をしているんだ」


「仕事……」


「そう、今回は楽そうな女子高生などではなく、強そうな大学生男子に狙いを定めスカウトしている様だな」


「でも、見た目は完全に絡まれてますけど……」


「そう、見た目は完全にカツアゲされているイカだ。しかし、仕事とは厳しいものだ、困難な相手をスカウトすれば得るものも大きい。何せ、あのイカは完全歩合制だからな」


「仕事って大変なんですね」


「そうだな、では私は晩御飯の食材を買う途中なので失礼する。気をつけて帰りなさい」


 エコバッグを肩にかけ、セイロンマン?さんはスタスタと去っていきました。


「お家、近所なんだ……」

 

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