第16話 新人歓迎会での、裏話!
「みなさん!こんにちは、
「みなさん、こんにちは!Lelive0期生。カレンの先輩の、
お決まりの挨拶を終え、すぐに本題に入る。
「今日の配信の内容は〜。カレンちゃん、発表しちゃってください!」
「はい。今日の配信は、二日前に配信したLelive所属配信者全員での、新人歓迎会の裏話を中心に雑談をしていきたいと思います。」
【待って!まだ、その配信見てない。(しばし、お待ちを)】
【ダンジョン配信のやつだよね。】
【あれ?ユゥさんは?】
コメントで、ツッコまれたので慌てて、説明する。
「今日は、ユゥさんの都合が合わなかったので、アマネと、カレンの2人で配信していくよ!」
「ユゥさん、風邪引いちゃって声でないんだよね〜。寂しいや。」
「あははっ……。(苦笑)実は、ユゥさん体調不良なんだよね。だから、Lelive内で、一人だけ男性配信者だから、けむたがられてるとかではないから、安心してね。」
【お大事に!】
【ユゥさんも、応援してますっ!Lelive箱推しですから。】
と、なんとか弁解できたところで。今度こそ、本題に入りましょうか。
***
「アマネちゃん!質問来てます。ごめんっ。これ、わたしの質問だ。」
ういういしい、後輩を尻目にみながら質問コーナーに入った。記念すべき、1つ目の質問は…
【カレンちゃんと、ユゥさんのSkillを教えて欲しいです。】だ。
「そういえば、特に説明せずに配信始めちゃったなぁ。」
少し反省する。後悔はしない。配信者を始めて、自分のメンタルを持たせるための教訓だ。
「そうですね。わたしのSkillは、簡単で
それで、ユゥさん…。本当は、本人に説明してほしかったですけど…。彼のSkillは、
「そうだね。ユゥさんのは、自分では動かせないSkillって、言ってたからトラップ系だよ。
でも、威力が、すごく高いし、自分の意志では動かせなくても、重力とか、何かしらの力が加われば動くから、工夫しやすいSkillだね。」
「そうですね。前のダンジョン配信では、すごく活躍しましたもんね。わたしのものは、攻撃系Skillではないので…。もう少し、役に立ちたかったです。」
画面の中の、カレンの表情が暗くなる。それをみて、急いでアマネの表示される表情が明るくするように操作する。
慰めているように見えるように。
「いや、カレンちゃんの未来視もすごかったよ。そのおかげで、私はユゥさんのSkillの攻撃を食らわなかったし。トラップ系のSkillの弱点は、自分でもダメージを食らうことだから。
カレンちゃんがいたから、わたしは痛い思いをしなくて済んだよ。
ところで、カレンちゃんのSkillではどんな風に未来が見えてるの?」
パッと、表情を明るくすると、楽しそうに話し出す。
「わたしのSkillは、未来が確定された瞬間に見えるようになります。例えば、今回ならユゥさんがSkillを地面や天井に仕掛けた時点で、アマネ先輩がそのSkillに攻撃される未来が見えます。」
とういうことは、彼女の目にはいくつもの私が、ユゥさんのSkillにやられている未来が見えていたということか? それは……
「げっ…。なんか、かっこ悪いな。」
彼女が
「でも、現実のアマネ先輩がカッコいいから良いじゃないですか。それに、カッコ悪い未来はわたしが回避できるように、教えますから。わたしが確定された未来を変えてみせます!」
目を輝かせる彼女を見て、この子は本当に私のファンなんだな〜。と、少し嬉しくなる。でも、一つ気になっていることは、彼女が、年上の年齢的な部分では先輩だということ。
さっきから、『カレンちゃん』と、呼ぶたびに申し訳なさが強くなっていく。しかし、事前に
「"カレンちゃん"って、配信では呼んでください。リアルでは、"メリサさん"で、良いですから。」
と、頼まれたら断れないもんな。しょうがない。こんな、風に人と関わることは楽しいな。
(VTuberも、悪くないし、VTuberで、良かった。)
心から出た、その言葉。本当に、この時は知らなかったのだ。この後に来る悲劇を。
***
カレンちゃんとの、雑談配信も終わり、3日後。ネットを騒がせるニュースが出た。わたしは、いつも以上に周りに気を使いながら、出勤する羽目になった。
その理由は簡単だ。SNS上にある写真が投稿されたのだ。題名は――
【VTuberの中身大公開!Lelive0期生夢風 アマネ編!】
だ。前の新人歓迎会でのダンジョン配信の時に撮られた写真であるようで、配信用の機械入りリュックを背負った
ご丁寧に、カレンと、ユゥさんの方にはモザイクがかけられていて、瞬時に私の顔に目がいくように、強調線も書かれている始末。
Leliveの事務所では、前面窓ガラスにはブラインドがすべて下げられ、周りには待ち合わせしている風の、ゴシック系動画投稿者の方々が待ち伏せしていた。
それを見たとき、スマホに通知が来た。
「リンの家に集合。住所は以下の通り。」
と、書かれ下に一等地のところに立っている豪邸とわかるほどの土地を持った場所が表示されていた。
わたしは、後ろを振り返る。楽しかったLeliveの事務所を。そこで、私の姿の写真を撮ろうとする投稿者の姿を。
目に焼き付けて忘れないように。この悔しさと、このどこにぶつけたら良いか分からない怒りを。
「今、向かいます。」
メールに返信を打ち、リンさんの家に向かうことにした。
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