悩み相談はじめました!by柱の上の修行僧シメオン
ヨリ
第1話 俗世を捨てて修行中!税金を下げて稼ぐんじゃ!
ワシは、今15メートルの柱の上に座っておる。
ん?なんでかって?
神父様からお前みたいに邪念の多い者は柱の上で修行をしてこいと怒られたんじゃ!
だから今日も民に神の教えを説くためにここにおる。
ほら、見てみろ。もう民衆が来よった。
偉そうじゃと?
そうじゃ!ワシは、上におるからな!見下ろすと、こう、偉くなった気分になるんじゃ!
つべこべ、うるさい‼ほら、民衆の話を聞くぞ!
「シメオン様!信仰が揺らいでおります!どうすればいいですか!」
信仰?信徒は、やはりこの質問が多いの~
「ええか!」
そう。これじゃ!ワシが、話し始めた瞬間こいつらは静かになるんじゃ。何とも快感でやめれない瞬間じゃ。
「迷いがあるときは、正典を開き祈れ!『感謝します!』。そうす『感謝します!』神かr『感謝『感『感謝s『感謝します!』からの!」「感謝します!」
こいつらほんとに話聞いてるのかの。いつも静かなのは最初だけじゃ。ワシがちょっと息継ぎをしたら「感謝します!」を連呼しよる。もう、ワシの声なんて届いてなかろう?
途中なんて感謝します!四部合唱じゃ!家でしてくれ。家で!
「シメオン様!ありがとうございます!頑張ります!」
「ワシも祈っておるからの」「感謝します!」
次はなんじゃ?
「税金が高すぎます!」
それ、ワシに言うのやめてくれないかの?ワシただの修行者じゃよ?
政治家だと思ってないかの?
「下がるように祈っておくからの!」
えっ?
下げてくれたら献金をくれる?
ちょっと頑張ってみようかの…。
いやいや、違うぞ!金で動いたんじゃないぞ!
ワシは、神父見習いじゃぞ?善意じゃよ。
ここに領主はおらんかの!
おっ!丁度来よった。
ワシ、柱の上で修行中なのじゃが……今日は特別に降りることにするかの!
……毎日特別なんじゃが。
「こんにちは、シメオン様。わざわざ降りてきてくださるとは!」
「今日だけじゃよ!ちょっと相談があっての!税金が少し高いみたいでな、民衆が嘆いておるんじゃ。なんとかならんかの?」
ほれ。下げろ。おぬしお金持ちじゃろ。
何を悩んでるんじゃ。
えっ?それは神の意志なのか…?
……もちろんじゃ!
「神が民を苦しめたいと思うかの?」
「シメオン様が言うなら少し下げましょう」
よしよし。これで献金がもらえるんじゃ!
ホクホクじゃ!
ほれ、神父よ!今日の修行も終わったぞ!
今日の成果?
今日も良い行いをしたぞ!
具体的に?
……民衆の信仰を深めたぞ!……あと…そうじゃ!税金を下げたぞ!
神父よ!これが今日の献金じゃ!
なっ、なんで怒るんじゃ!
民衆の税金を下げた報酬じゃぞ!
えっ?ワシは修行をしている身であることを忘れるな?
もちろんじゃ!民衆の悩みを解決していくぞい。
なんでそんな哀れんだ目で見るんじゃ!なんでため息をつくんじゃ!
納得いかぬ!
ん?もう一回柱に上ってこい?
………解せぬ。
ワシは、シメオン。民に神の教えを説く者じゃ!
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