第2話 まほう

 ねぇねぇ聞いてよ、僕魔法が使えるみたい。

嘘じゃないよ、笑ってないでほら、見て。

――え、見えない?嘘だぁ、ちゃんと見てって。

……ほんとに見えないの?こんなに光ってるのに?

うん、凄く光ってるんだよ。きみどり色?にぴかぴか。

今僕の手の中でめちゃくちゃに光ってるんだけど、ほんとに見えないの?

うーん、魔法が見える人と見えない人があるのかな、残念だなぁ。

あれっ、でも、君にも魔法が光ってる。

ほんとだってば。胸のところ。ん、でも何だか色が僕のと違う。

君のは赤いね。そんでもってちょっと暗い。しかもすこし小さいのかな。

ん?どうしたの、そんな怖い顔して。

なぁに、泣かないで、ほんとにどうしたの?

え、なぁに?――それは魔法じゃない?じゃあ、なんなのさ。

泣いてないで教えてよ、わかんないじゃない。

……あ、そうだ。先に君に見て欲しいな、僕が魔法を使うところ。

君の魔法ちょっと借りるね、って、わ、なに。

あぶないなぁ、そんな腕振り回したりして。ちょっと借りるだけだか……。

あれ。

真っ黒になってる。ぜんぜん光ってない。

ん、あれ。

おーい。……動かなくなっちゃった。

……なんだろうこれ、食べれるかな。

…………ごくん。

わ、なんかすごい――僕の魔法すごく光ってる。

不思議だなぁ、なんか体軽くなった気がするし。

ふふ、ありがとね、なんだか君のおかげで具合がいいよ。

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