呪いの王と魔法の国、運命の枷と生命の輝き

 本作は筆者さま渾身の作品世界物語、その最新版になります。

 書いても尽きぬ創作愛で、語られるごとに色彩を異にする大河浪漫が、三人の王子を主軸として新たに展開されます。

 それぞれに傷を持つ多くのキャラクターたちが、作中の重要ファクターであるボビンレースのように精緻な人間模様を織りなしますが、中でも過去の災禍にして欲望と残虐を振りまいて死んだ呪いの王が、妙な賢者タイムの幽霊もどきになってあれこれ息子らの世話を焼く姿は、一周半にネジレを加えて微笑ましく思えます(?)

 現時点で道半ば、結末がどこへ行き着くかわからないことも、また楽しみと言える長編ハイファンタジーです!