第2話

カンちゃんと私は不思議な関係だ。


誰にも内緒で会っているけれど体の関係はない。

いつも小さな公園の脇に車を停めてしばらく話をしてバイバイする。

私はカンちゃんと車の中以外では会ったことがない。


私もカンちゃんも誰にも言えない気持ちを言い合った。


秘密を共有し合っていた。


そう考えていくとカンちゃんにはもう秘密を共有する相手は必要なくなったということなのか。。とも思う。


私の悩みや思いを聞いて黙ってヨシヨシと頭を撫でてくれた。

カンちゃんはいつでも私に優しく微笑みかけてくれて、あったかかった。


カンちゃんは年上だけど私にお仕事の悩みをたくさん言ってくれた。

時には子供みたいに膝枕をせがんできた。

かわいい少年みたいなカンちゃん。


これは不倫というものだろうか?

傍から見たら不倫に見えるのだろうか?

そもそも私に恋愛感情はあるのだろうか?



夜になると私は両親の喧嘩する声を背にひとりであの公園に向かっていた。


いつも喧嘩は私のことだった。

「どうしてよりによって娘なの!?他の女ならまだ許せるのに。。」

泣き喚く母の声。

「俺が作ったんだから半分は俺のものだ!好きにしてかまわないだろ!」

理不尽に押さえつけようとする父の声。


家に私の居場所はなかった。。


カンちゃんの車の中が私の居場所だった。



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