反政府デモ

 米大統領は、パナマ、グリーンランドを占領したにも関わらず、支持率は1パーセントを切っていた。

 当然、米大統領は憤怒ふんぬの表情で口角泡を飛ばしながら、「世論調査をやった会社を捕まえろ!」や、「世論調査の評価が低いのは、シャドーステートの陰謀だ!」などと連日、閣僚たちに当たり散らした。

 閣僚も、もう辞職したいと思っていたが、もしも閣僚をやめて、SPの警護が外されたら、その日に国民から、暗殺される覚悟が必要だろうと考えていた。


   ◆ ◆ ◆ ◆ ◆


 ホワイトハウスの前には、連日、大統領を弾劾するデモがおこなわれていた。

 米大統領がやったことは、『偉大なるアメリカよ、再び』を掲げたものの、やったことは、関税を引き上げて、他国を侵略しただけである。

 結果、関税のせいで物価が上がり、必要な材料が買えないことで、あらゆる製品の価格が高騰したか、あるいは生産できなくなり、他国を侵略したことで経済制裁がおこなわれ、輸出入が完全に止まった。

 しかも、福祉予算を早々に切り捨てたことで、解雇された労働者が、餓死や自死をするような、惨憺たる有様であった。食料は、選ばなければ、国内にあるにも関わらず、である。

 その上、米大統領は、なんの対策も講じていなかった。

 そのくせ、就任直後に、富裕層の減税はおこなった。

 これだけのことをすれば、他国だけでなく、国内で不満を持たれることは当然であった。

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