米軍、グリーンランド侵攻

 米大統領は支持率回復のため、再度の侵攻をくわだてた。偉大なるアメリカに必要なものは、それに見合った領土であると。

 アメリカがグリーンランド侵攻を決定したのは、米大統領の支持率が十パーセントを割った頃だった。

 グリーンランドの選挙では、CIAがアメリカへの編入を推進する候補者を生み出そうと工作したが、残念ながらグリーンランド人のプライドが勝利した。

 CIAは政府効率化省によって人員を多く削減されていたため、工作しようにも、有望な人材はすでに立ち去った後であった。いくら米大統領が命令しても、工作は不可能であった。

 グリーンランドへの工作は、グリーンランド人のプライドを傷つけただけでなく、デンマーク本国の不評も大きく買った。

 そのせいかデンマークは、F‐35の交換部品やサポートがなくなったことも考慮し、将来的に運用を停止し、欧州で開発されている戦闘機計画、GCAPや、FCASの開発が完了後その購入を決定した。


   ◆ ◆ ◆ ◆ ◆


 米大統領は、米軍でグリーンランド侵攻を開始した。

 そのやり方は酷いもので、ステルス爆撃機、戦闘機でグリーンランドの都市やインフラを爆撃した。そして多くの民間人が死傷した。

 デンマーク空軍とNATO軍は迎撃を試みたが、質、量、共に米軍優位は変わらず、それらの迎撃機をすり抜けて米軍は爆撃をおこなった。

 続けてグリーンランド近海に展開した、米艦隊から出撃した海兵隊がグリーンランドに上陸、NATO地上部隊が派遣されていたものの、抵抗むなしく、グリーンランドは陥落した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る