国連安保理

 国連安保理では非難決議が提出されたが、アメリカの拒否権発動で否決された。

 アメリカを除くG7は、アメリカの行動を強く非難。他国もそれに続いた。

 当の米大統領は、それを無視した。

 G7はアメリカの参加拒否を決議。G6となる。

 米大統領は『極左国家の巣窟など、こちらから出ていってやる」と発言。

 同時に米大統領は、NATOからも脱退。

 米大統領は「アメリカのいないNATOなど、なにができるんだ?」とせせら笑うように、質問した記者へと話した。

 アメリカ政府管理下、パナマで国民投票がおこなわれ、パナマは正式にアメリカ領土となった。

 かと言ってパナマ国民はアメリカ国籍を取れず、しかも入出国にはアメリカ政府のビザが必要であった。


   ◆ ◆ ◆ ◆ ◆


 国連通常会議では、アメリカへの非難決議が可決。

 米大統領は「アメリカに経済制裁に賛成した国々を、ならず者国家とみなす」と宣言。

 米大統領は経済制裁をおこなった国々に、米国製兵器の販売を停止。

 それのみならず、発注、支払い済みの兵器や交換部品など、全ての武器輸出を完全に止めた。

 各国に配備されていたF-35などは、あらゆるネットワークから切断され、補充部品と搭載兵装の輸出停止、ソフトウェアのアップデートもメーカーが拒否したため、いくら優秀な戦闘機であっても価値を大きく低下させた。

 アメリカへの経済制裁に賛成した各国は、即日、経済制裁を開始。

 F-35導入国も、あらゆるサービスが納入されないならと、欧州製戦闘機の購入を決定した。

 F-35が使用できないことで足下を見た中国やロシアは、西側諸国に対して領空侵犯を増加させた。

 米大統領は、中露の対応に「裏切り者を粛清してくれ」と賛辞を贈った。米大統領は、もう敵と味方の区別ができなくなっていた。

 これらの事態に欧州各国は、欧州製戦闘機の部隊を融通しあい、中露の領空侵犯に対抗した。


 アメリカの武器輸入ができなくなったことで、大きな影響を受けたのは、アメリカと最も関係の深いイギリスであった。

 イギリスは核弾頭こそ自国製であるものの、その運搬手段たる潜水艦発射弾道ミサイルはアメリカ製であった。

 アメリカはイギリスの経済制裁に対抗し、弾道ミサイルの技術供与をやめた。

 イギリスも元より、アメリカからの武器輸入ができないとわかっていたので、対策は考えられていた。

 結果的にイギリスは、フランスからの技術供与を得て、現ミサイル原潜の後継艦は、自国開発されたミサイルが搭載されることになった。


 米下院では与野党の議員により、弾劾裁判の告訴がおこなわれ、大統領の弾劾裁判が決まった。

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