第20話 固定概念を破壊されました。
「奴隷。奴隷かぁ〜〜、どうせ鎖で繋がれたりするなら、手足首全部はやめたげてよぉ的な。」
まぁ、僕のリアクションなんてこんなもんです。
「はあ?何言ってんの?奴隷にそんな事するバカがどこに居るっていうの?」
「え?」
「え?」
ゑ???
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奴隷 の 事情 を 教わる 魔物
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そんなこんなで僕は奴隷のことを聞く事に。
「奴隷っていうのはね、使い物にならないとダメなのは当たり前だけど、ブランドでもあるのよ。
痩せ細って汚い格好して、そんな奴隷を〝これが自分の奴隷です〟なんて言ってたら、そんなの財力も無ければ奴隷として役に立たないものを購入した見る目の無い安物買いするバカ丸出しだって思われるに決まってるじゃない。
だから、奴隷っていうのは下手な上流階級の奴らよりもよっぽどマシな扱いをされるの。
頭でも力でも何でもいいから有能さを誇示して、格好だって最高品質にするんだから。
例えるなら、珍しくて普段使いの日用品としても使える、お高い宝石をこれみよがしに見せびらかせてるようなものね。
だから奴隷っていうのは基本的には幸せなのよ。
一応ペットみたいになるケースもあるけどね。」
「はぇ〜〜…」
奴隷のイメージがぜんっぜん違くて草。
「まぁでも、例外はあるけどね。
敢えてみすぼらしい感じの奴隷ってのもゼロじゃないわ。
そういうのは、わざとらしくそうするの。
特に、希少かつ高位で上下関係が本来逆の立場のような、そんなケース。
それは他の誰かに見せびらかすためじゃない、自分で愉しむためにね。
上下関係を自分より下であると思わせる事で、愉悦を得るため。
でも、普通ならそうはならない。高位の存在が、たかが人間なんかに上下関係を逆転されちゃって屈服するなんて事、ある筈がないもの。
だから、それを実現するには、その相手が心や魂を無くしてないといけないのよ。」
「心や魂を無くす!?
ちょっと待って、それって…さっき僕が…」
「そう、アンタが言ったのと同じ状態の事よ。」
あーーー…なるほどね。
「使い物にならなそうな僕は奴隷にすらならないし、心もあるからめっちゃ売りにくいって感じ?」
「そーゆーこと。
生活費がかかる分むしろデメリットよ。」
飲食物もちゃんとしないとダメな飼い主って感じになるんだろうなぁコレ。
なんか地球の家畜やペットそのまんま…
「ちなみに僕みたいなのって冒険者とかは無理ッスかね…?」
「冒険者ぁ〜!?!?
ぷっ、あっははは!!」
「えっなんで笑うのさ!?酷くない!???」
「いやごめんごめん、自分から浮浪者になりたいなんて言う奴に初めて出会ったから…ブフッ!」
笑い過ぎじゃね?てか浮浪者って。
「え、なに冒険者ってそんな乞食みたいなもんなの?」
「そうだね、何も出来ない無能な奴がやるのが冒険者だね。
あとは自惚れてる奴とか。胡散臭い奴とか騙されやすい奴とか色々。」
「どれもまともじゃ無いんだけど!???」
「だって定職につかないで遊び呆けてるだけの奴らが冒険者って呼ばれてるくらいだからね。
ちなみにアンタみたいな貧弱で雑魚なダメ魔物も冒険者の素質あるわよ〜!」
「やめてくれないかな!?!?泣くよ!?」
ホンマにガチ泣きして差し上げましょうか?
「でもアンタは別に覚醒してないだけで、成長したら役立つのは確実だから。
冒険者なんてすぐ卒業するんじゃないかな?」
「へぇ〜、てっきり魔物だからって理由で迫害や追放されるのかと思ってたや。」
「そんなのナイナイ。
魔物からわざわざ浮浪者のために、主従関係を作るまでもなくボランティアで雇用費もかからず仲間として来てくれるんだから、そんな無駄に追い払うような事する理由もメリットも無いわよ。
まぁ中には使い捨て感覚で使い潰してポイってする連中も居ないことも無いだろうけど、もしそんな奴が居たとしても捨てるぐらいなら肉壁用に連れて歩くと思うから、よほどの事が無い限りはそうならないわね。」
「あはは…僕の中での冒険者のイメージが崩れてく音がする…てか浮浪者って響きが未だに慣れない…」
どんなリアクションすれば良いんだコレ。
「そんな感じだから、浮浪者…じゃなくて、冒険者やりたいなら別に自由にして良いんじゃ無い?
誰も文句言わないと思うし。」
「てか魔物ってそもそも冒険者ギルド的なとこに登録できるのかな?」
「はあ?冒険者ギルドなんてシステム、大昔に消えてるじゃない。」
「え?」
「え?」
ゑ?
色々と固定概念を破壊された気がする。
やっぱり自分の中でも固定概念はまだまだ残ってるなぁ。
自分自身はそういう人とはソリが合わないって思ってたくせに…
確かに、これじゃ本当に僕は偽善者だね。
…それにしても、迫害、追放。
迫害や追放は普通なら起こらない、か。
よほどの事って、どんな事だろう。
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ーーーーーーーーー定期更新ーーーーーーーーー
3.ピンクの…
4.…
引き続き計算中…
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