夢で見たあの人って…?

岳者

夢で見たあの人って…?

 あの夢を見たのは、これで9回目だった。

 自分は今年で66歳となる。昔はベテランで顔もよかったけど、生真面目な性格のせいで今でも独身だ。今となっては自分にはお似合いという言葉は消え去っていた。

 自分は刑事として下っ端の人からは憧れと言われていた。飲み屋に行ってからわいわい楽しんだ。

 だが、そんな刑事だったのだが何回かは失敗する事があった。

 時は2001年に日本を騒がせるような大事件が起こったのだ。その名前は『不顔王水連続殺人事件』というのが起こった。

 この事件の内容は王水という濃塩酸と濃硝酸を3:1で混ぜる事で貴金属を溶かすことが出来る液体を使い人の顔にかけ死に至らせたり深い傷を負わせたりする事件だ。

 それで、自分が行ったミスとは誤認逮捕だった。この事件は4人もの人を殺害し7人に深い傷を負わせ全国に逃亡していた。

 誤認逮捕をされた人は無実だと訴えていたのにも関わらずそのまま処刑されてしまった。

 犯人は時効が切れた後に出てきたのだ。


 自分は定年退職をしてずっと家にいるからエアロバイクで運動をしたり、テレビを見たり、寝たりしている。

 だが、最近変な夢を見るようになった。昨日で9回目となっていた。

 同じような内容が9回あったのではなく一回一回と違う内容だった。

1回目:首輪のついてる犬に噛まれる話

2回目:誰かに似た人

3回目:酸をかけられたような熱さ

4回目:崖から落とされた

5回目:獄門をみた

6回目:顔がぐちゃぐちゃになった首の長い人

7回目:自分が誰かに食べられてしまった

8回目:人の頭をした蜂に遭遇した

9回目:首が絞まった…。

 自分は1回目はただのどうでもいいと思ったが2回目からは見覚えのある人が出てきた。だが、その人は見たことがあるようでなかった。

 3回目は顔にはなんの跡もないが熱さは確かに感じることが出来たのだ。

 4回目は2回目の人と会ったのだ。

 5回目は大量の爛れた顔が…。

 6回目は2回目の奴と同じ奴の首が長くなってから口角が異常なまでに上がっていた。

 7回目は丸飲みみたいなのではなく部分で食べられていったのだ。歯型の跡が残っていた。

 8回目は人面蜂と出会った。何もしてくる事はなかった。

 ついに9回目、アイツから首を絞められて朝起きたら手形のような跡が。

 その、9回目の最後に言われた事は…。

『次は10回目ですよ。天ですね…。』と。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

夢で見たあの人って…? 岳者 @rimoKON14

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ