第3話二期生もダメだった
17人の生活を調べるように頼んだ2期生達が光と共に帰ってくる。
やっぱり色々変化している。
きりっとしたものがゆるゆるしていた。
「「「あ」」」
帰ってくる設定をすっかり忘れて地球を満喫していた2期生達に、おかえりと嫌味を飛ばす。
全員にうんざりしながら報告書を提出させる。
やはりというか、呆れると言うか、最初の方と比べて後半につれて、なにも書かれていかなくなり、空白。
ろくに調べもせずサボり、遊び呆けていたらしい。
少しはわかったことがある。
彼女ら1期生は動画コンテンツなどで荒稼ぎしていたらしい。
報告書を思わず握りつぶすところだった。
動画でわざわざ利益をあげる必要などあるか?
ない。
断言できる。
なんせ、彼女達は与えられた仕事を終えたらこちらに帰ってくる手筈になっていた。
地球のお金はこちらでは無意味なものになる。
私に渡すのならまだしも、彼女達はお金をがっちり消費していたので、渡すつもりもなかったみたい。
給料はしばらくいらないということか、いや、寧ろ減俸に処す。
まるでどこにも属してないような振る舞いに、私はため息を四度吐く。
「もう、いい。全員与えられたこちらの仕事に戻って。地球での仕事は終わりでいいから」
「「「!!」」」
全員顔に「嫌だ」と出ていて思わず無表情になる。
そのまま何も言わずに部屋を出る。
だから!
私が!
行きたい!
って!
望んでるんだろ!
行きたくて行きたくて堪らない気持ちを我慢して待っていたのに、ただいたずらに時間を無駄にした。
「奴隷達は地球に連れてっても外出不可にしとかないと、同じ轍を踏むことになる」
どこかに行きたいのならこの世界で出かければ良いとすれば、誰も拒否しまい。
こんなに異世界人を娯楽に引きづり込むとは夢にも思わなかった。
疲れたロロイは今度は魔法を使って地球の様子を見ることにした。
2期生に仕込んでおいた芽が出る頃だろう。
花の種のように地面に埋まったりして、それが芽吹くとそこにある光景を見れるようになるものを用意しておいたのだ。
交差点が見えた。
「懐かしい」
私はじーんとなりながらも場所を切り替える。
「はぁ、なんか遠回りしたなぁ」
*
主人が黄昏ている一方、ロロイに一期生と名付けられた物達は、なんとか地球に行く理由を探していた。
どうしようどうしようと、案が見つからない。
仮に地球へ再度行けても、前回と同じような生活はもう無理だろう。
仕事をせずに自由になったと勘違いした己達は放棄して、主人を失望させた。
動画の撮影をしたのは、自分達の美しさや教養を一種の判断材料にする為に、地球人の反応を探るためにと一度きりのつもりだった。
しかし、動画が何まん再生と超え、毎日のように褒め称えるコメントが目に入る。
主人を全固定することはあれど、こんなふうに持ち上げられる経験はなかった。
動画投稿サイトにある公式のアニメなどを見た折に、その世界にどぶどぶと抜け出せなくなったのも重なり、どんどん自分の役割や肩書きを思い出すこともなくなっていった。
現実に引き戻されたのは、文字通り元の世界に連れ戻された時。
定期検診くらい、素直に行けばよかった。
まさか、全員断っていたとは。
あまりの事態に頭が真っ白。
地球に居られないと知った時には、執事長の冷たい目が、主人を軽んじた奴隷を見る非難の色で埋め尽くされていた。
主人が地球へ行くと言うので、3人だけついてくることを許された。
執事長は勿論一人目。
残りの二人は、私たちの間でかなり揉めた。
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