まずいですよ!
文明開化と言えば聞こえがいいかもしれませんが、いきなり高度過ぎる文明の利益を受け取ってしまったがために、そこへの正しいリテラシーが成熟されないまま運用されてしまっています。
まさに、現代の家庭における「スマホをいつ持たせるか問題」に通じるものを感じさせます。
適切な扱い方をきちんと考察し、それを伝えていく存在がいなければ、文明の利器はあっという間に人を堕落させます。
こうなってしまったが最後、根底から価値観が狂ってしまい、二度と元には戻れなくなります。
それに例のアレも混入してしまってますし。
ただ笑って読むだけで片付けることはできない、ネットの負の側面の風刺を感じずにはいられない作品です。
「現代を生きる妖精たち」の感覚が生き生きと描き出されています。
主人公はティンカーベルのような「かわいい妖精」で、トンボが交尾する姿などを眺めるなどして過ごしています。
それが終わった後は妖精仲間たちと過ごすも、「スマホ」というものにみんな夢中になってしまう。
妖精たちの妙に俗っぽい感性というのが微笑ましく、同時に「現代の文化」が持つ魅力の強さというのを再確認させられました。
日本のアニメとか漫画の内容にはまってセリフを口にしまくる妖精たち。同じく顔をちょっと隠して「エッ……な写真」を撮影してみようとしたり。
妖精も人間と同じような感性を持っていて、モロに「沼」にハマってしまうという。
この感じ、アメリカとかヨーロッパ、それからアジアの人まで日本のアニメが好きなのを知って驚いた時のことを思い出しました。
国や文化が違っても、同じものが好きになれるなら分かり合えるかもしれない。そして種族が違ってもそれは変わらない。
妖精たちの楽しそう(「ほのぼの」というより「あるある」寄り)な姿を見ると共に、「やっぱり日本のアニメって改めて凄いんだよな……」としみじみ感じさせられました。