いつもの牛乳
さくらい まもる
-いつもの牛乳-
社会人5年目になる僕(佐藤 峻輝)には、結婚を前提に同棲している彼女がいる。彼女の名前は米沢 梨花。彼女とは大学時代に出会った。僕は、大手総合商社に勤めており、梨花は大手クリニックの受付女をやっている。突然、将来は専業主婦になりたいと言いはじめ、最近は、何かと結婚をせかされている。はたから見たら順風満帆に見えるかもしれないが、現実はそんな大したものではない。
彼女を好きになったのは、コミュニケーションが苦手な僕を何かと気にかけてくれて、分かりやすく好意を伝えてくれていたからだ。口下手な僕と違って、彼女は感情表現が豊かで分かりやすい。見ていて飽きない人だと感じている。それでいて実直な性格が魅力的で素敵だと思った。進展しない関係に痺れをきらしたのか、彼女から告白してくれた。
男として情けないと思われるのかもしれないが、漢気のある彼女の一面に惚れ直してしまった。長く付き合っていると当然、ケンカの1つくらい起きるわけだけれども、いつも僕が先に謝って機嫌を取るためのプリンを買って渡すのが恒例だ。こんな風な性格になったのは、僕がまだ、車のことを「ぶーぶー」と呼んでいた頃。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます