私のポチくんと俺のタマ

桜立 風

第1話 プロローグ

「いいから、遠慮しないで甘えてみ?」



こんな甘ったるい顔は見慣れているはずなのに…

たまにやってくる言いようのない不安や焦りを、嶽丸はまるごと包んで見えないようにしてくれる。


こんなときは、寄りかかってしまおう…


ポスッと、待っている胸に頬を埋めてみれば、その意外なほどしっかりしたからだにドキンとした。



「いつでもこうしてあげるから、あんまり頑張るな」



ちょっと上を向けば、形の綺麗な唇が見える。

頭を撫でてくれる大きい手…チュッとこめかみに当たるのは、さっきの唇?



あれ…嶽丸って、こんなに私を甘やかして、どうするつもり…?

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