第4話 不運すぎん?
その後も私は藤先輩にメンタルを支えられ、結局F高校より2ランク下のN高校への合格を決めた。
1ランク下げなかったのはその高校の生徒は陽キャで有名だったためである。
一度見学にはいったが女子のスカートの短さにドン引きしてあまり受けたいとは思えなかったのだ。
『入学おめでとう』
そんな私の過酷な受験が終わった今でも藤先輩とのやりとりは続いている。
『ありがと笑はああ、友達できるかな』
『大丈夫大丈夫なんとかなるからw』
いつの間にか私の敬語は外れ、心なしか前より距離が近くなった気がする。
これから私の高校生活が始まる…
ーそれなのにも関わらず、天候はあいにくの大雨。もう4月だというのに風のせいで極寒だ。
「…あ、あれ、」
「?どうしたの杏」
「靴箱に誰かの靴が入ってる、」
「はい?」
クラスを確認して自分の番号と同じ靴箱を開けた先には謎のローファーが先に入っていて…
ガラガラ
一年E組…ここが私のクラスか、席は、、え。
男子に三方向囲まれてるんですけど、?
重たい足を動かし、誰も話しかけてこないでほしいと心の底から願いながら席に着く。
「あっもしかして後ろの席?よろしく〜あっ僕の名前はね〜」
おいおいおいおいマジかよフラグ回収が早すぎるだろ何事だ??
何呑気に自己紹介始めてるんだ、
…と入学早々さまざまなことが重なり、しかも男の子に声をかけられてしまうという私にとっては一番起きて欲しくないイベントが起こってしまったのだ。
『っははは!w w w w w w』
「ちょっと、そんな笑わないでほしいんだけど、」
『いや、不運すぎん?w wふはっw』
「ほんと、疲れた…」
『杏、男嫌いだもんなwえ、でその話しかけてきた男の子最後帰る時連絡先聞いてきたんだろ?』
「、うん」
『で、交換してきたん?』
「、いや…」
ねね小鳥遊さん?っていうんだ!珍しい苗字だね!あっそうだ何かの縁ってことで連絡先交換しない?
ーーあぁ〜、ごめんなさい笑今充電なくって、笑
「…って、いってきた。」
『その男の子なくぞw』
「でっでもすごいグイグイきたしーー!」
『まあグイグイ来るのは嫌か、w』
「あっでも帰りに昇降口でね!!」
あの、!
っ!はいっ
E組の方ですか?
え、う、うん!えと、そちらも?
わっよかった!!私安藤百合って言います、もしよければLINE交換しませんか?
「って声かけてくれたんだよ!」
『へぇ?その子には充電なくて〜のくだりしなかったん』
「しないよ!!!」
『w w w w w』
今日のこの散々だった1日の出来事を藤先輩に語ってそれを大笑いしながら聞いていてくれるこの長電話が、私は意外とすきだった。
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