不思議なキャラクターと同居する作品は、藤子・F・不二雄先生のドラえもんやオバQなどがあります。
本作もそれらと同様に、主人公のもとに不思議な同居人が現れます。
その相手はゴブリン。
これがまた話の分かる、人のいいゴブリンなのです。なんなら主人公より頭良さそう。
そんなゴブリンの出現にツッコミを入れる主人公ですが、逆に冷静に諭されることに。
このやりとりが軽妙で面白おかしくてたまりません。
本作は3000文字に満たない短編ですが、彼らのやり取りをもっと長く読んでいたい気持ちにさせてくれます。
短くて、楽しく、そして妖精への認識がちょっと改まる逸品です。
ぜひご一読くださいませ!
そうですね、女神転生シリーズをご存じの方だと、ゴブリンは原典に沿うならば妖精であるというのをご存じなのだろうと思います。
で、意外と頭が良かったりもするんですよね。
で、フィクション作品でも西洋の作品なんかでは、やや原始的ながらもかなり文化的な生活を営んでいる、かなり知性の高い種族だったりします。
「個としては弱く、また知性も低い」というイメージは、もっぱら日本の作品に多く見られる傾向だったりするわけです。
そんなゴブリンのゴビーからは、なかなか衝撃的なことを説明され……。
そして、召喚されたゴビーが望むものとは……!?
この作品を読めば、ゴブリンの事が少しだけ身近なものに感じられるようになること間違いなしです。
これはすごく「当たり」な召喚だったじゃないか、と読み終えてしみじみと……。
主人公は「妖精を召喚」することにより、可愛らしいピクシーなんかと楽しく過ごすことを夢見ていた。
しかし、現れたのはゴブリン。「これも妖精ですよ!」と言われても、なんかイメージと違うのでガックシ。
それでも、ゴブリンさんと話をしている内に、何かどんどん様子が変わってくる。妖精とはどんなものかを説明された後、ゴブリンさんの好きな物とかがわかってきて。
「彼女的なパートナー」というのもいいけれど、「マスコット的な相棒」というのもやっぱり夢があるなあ、と改めて感じさせられました。
ラノベ的な世界観だと前者との同居コメディが定番ですが、藤子・F・不二雄作品なら後者がメイン。
このゴブリンさんと同居していれば、それだけで日常が楽しくなりそうだな、と思いました。一緒にオタ系の話とかに花を咲かせたり、すごく充実しそうな感じがします。
藤子作品の絵とかで漫画にしてみて欲しいと強く思いました。