第2話
「ん?」
牡鹿が私の髪を軽く引っ張っていた。
「あっ、私 寝ちゃったのね。起こしてくれてありがとう、ミック」
そう言って、牡鹿の首を撫でてあげると嬉しそうにしてくれる。
湖の畔で、うたた寝していた私を金色の牡鹿(ミック)が呼びにきてくれた。
ここは、いのちの森。
中心に、とても大きな樹が立ち、その周りには湖。
この大樹は、源(みなもと)の木。
湖の底から生えていて、この湖も源の木の一部。
だから、私達『森の守り人』は、湖の上を歩いて源の木の元に行くことができる。
でも、それは源の木が許可した時だけ。
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