ボッチ探索者の日常
@blue_EI
ロマンを求めてダンジョンへ
ダンジョンが江戸時代に生まれた。当時は大慌てだったらしいが、現在は社会に溶け込んでいる。
探索者の配信を見るがあれは毎回ロマンを感じる。トークよりも映像を重視するタイプなので上位ランクの人ばかり見ているが、魔法とか変わり種の武器を使って映像でもわかる怪物を倒す姿はどんなヒーローショーよりワクワクする。
世界での死者数は毎年必ず亡くなる人はいる。それでも潜る人が増える一方なんだから何か魔性があるんだろう。
そんな魔性に惹かれて飛んできた蝿の一人こと私はダンジョン支援支部の入り口にいる。
高校生としての学生証と武器レンタルの一万円札、諸々の書類は完備してる。
長崎県民として生まれて早15年、中学も卒業して高校生となった。色々落ち着いて大村支部に来たが……。
「……ワクワクするな」
田舎でも人通りはあるが、ベテランに見える探索者からは温かい目でチラ見されるだけで放置されている。ありがたいが、ありがたくない…。
「まぁいいや」
これがロマンへの第一歩!………そそくさと中に入った。内装は清潔感が保たれている。
割と朝早めに来たが登録待ちに三人いるとは……さては同志だな?
田舎者丸出しで周りを遠慮なく見る。普段はしないが、最初くらいは皆んな許してくれるさ。
「うお……」
市役所みたいな雰囲気だが明確な違いが二つある。一つは売買取引のショップだ。ある場所は外からは見えないが一部のダンジョン産の物が売られている。一般人も買えるものは買えるらしいが殆どいない。微かに見える剣みたいな奴は……100万。安物にしか見えない木のペンダントは………1000万?!
「………」
二つ目は受付係の人だ。どんな田舎だろうとどんな国でも芸能人顔負けの美男美女、時代に配慮すると美人なのだ!……え?配慮できてない?そんなの知るか。美人と普通の人の違いなんて見慣れる期間が長いか短いかだけだ。それ以降なんてどちらも変わらん。つまり差別用語ではない!(過激派)。
今回は女性の方だが……。
(ボンッ………)
グラb…思春期には刺激が強い。今受付してる男子は目線が吸引されてる。受付の人は慣れているのか笑っている……。あれば魔性だ。身近に危険があったとは……。
いつの間にか吸引される時間もあった(他も凄かったがあの人が別次元だった、何がとは言わない)が施設を軽く見渡していると番号が呼ばれた。
「初めまして、担当のミッチェルと申します。今回は探検者登録でお間違いありませんか?」
「はい」(ハーフか…己を律せ!)
「は、はい。わかりました。それでは説明しますね」(真剣な眼差しで見られると緊張するなぁ……)
その後は己を律して真剣に目を見て手続きを終えた。十分程度で終わったが実際に入るまでは最低一週間掛かると言われて今日の予定は終了した。
次の日から、土日開催の探索者研修が毎週参加できる。絶対ではないらしいが半年で教官に合格を貰わないと手続きをもう一度!になるらしい。最初の高校は忙しくないから毎週行く予定。ショップを軽く見て周り、安めの非常食250円を一つ買って帰った。
「……一万円意味なかったな」
興奮で少し変だったが、良いスタートを切ることが出来た。明日から楽しみだ。
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