ウニヒピリ

古 散太

ウニヒピリ

背中を向けてしゃがみ込む

なにも言わないぼくがいる

あたりの景色が変わっても

ずっとそこで頭を抱えてる

そこに在るのはぼくの幻想

いつからか時間は失われて

幼いぼくが動けないままだ

ある部分は今でもそこから

大人になれず成長もしない

もうここで蓋を開けてしまおう

すべてを手放して生き返るんだ

ごめんねと言って彼に触れると

幼いぼくは一瞬で大人になった

長い呪縛から解き放たれたのは

幼いころのぼくなんかじゃなく

今を生きるぼくのパンドラの箱

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ウニヒピリ 古 散太 @santafull

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る