第7話解放の鍵、そして終焉の選択
苦い笑みを浮かべながらも、セラフィスの瞳にはどこか深い孤独が宿っていた。
「希望、か……かつての私も信じていたものだ……」
彼の呟きは、誰にも届かない独り言のように虚ろだった。戦いのさなかだというのに、その声は不思議と悲しみを帯びて響いていた。
セラフィスの脳裏に、遥か昔の記憶が鮮やかに蘇る。まだ彼が若く、王宮に仕えていた頃のことだった。
王子リンゼイの忠実な家臣として、国のために誠心誠意尽くしていた日々。それが彼の誇りだった。そして、心からの友情と敬愛をリンゼイに注ぎ、命を懸けて守り抜こうと誓っていた。だが、そんな彼の心に訪れたのは、友情だけではなかった。
美しく聡明で、誰からも愛される王女リリア。彼女の慈愛に満ちた笑顔に、彼はいつしか心を奪われてしまった。彼女を見るたびに胸は熱を帯び、言葉も出なくなるほどの焦がれる想いを抱いた。
けれど、それは許されぬ恋だった。家臣である自分が王女に心を寄せるなど許されない。そう思いながらも、日に日に募る彼女への想いを止めることはできなかった。
そんな彼が目の当たりにしたのは、リリアがリンゼイを見つめるあの瞳だった。誰よりも優しく、誰よりも深く、ただ一人の男だけを見つめる視線。その瞬間、セラフィスの胸には激しい痛みが走った。どうして自分ではなくリンゼイなのかと、嫉妬と悲しみが心を引き裂いた。
そしてある夜、彼は勇気を振り絞ってリリアに自分の想いを告げた。
『あなたが好きだ、リリア』
伝えてはならない言葉だった。それでもどうしても言わずにはいられなかった。決して、結ばれるなど思っていなかった。でも――。
『ごめんなさい、セラフィス。私はあなたの気持ちには応えられない』
その言葉が、セラフィスの心を永遠に砕いた。
愛は拒まれ、友情にも戻れず、彼の中にはただ孤独と絶望だけが残った。彼にとって、世界は色褪せ、何もかも意味を失った。そしてその痛みは、やがて静かな憎悪へと形を変えていった。
(なぜだ……なぜ私ではなかったのだ……)
歪んだ想いは、徐々に狂気を帯びた。リンゼイへの友情も憎しみに変わり、リリアへの愛もまた、彼女を永遠に奪い続ける歪んだ執着へと変貌した。
「愛など幻想に過ぎない。手に入らぬなら、いっそ絶望に染め上げてしまえばよいのだ」
セラフィスは薄く笑ったが、その瞳には満たされぬ寂しさと孤独が浮かんでいた。そんな彼を見て、リンゼイは静かに口を開いた。
「セラフィス、愛とは奪うものではない」
リンゼイの声は穏やかで力強く、セラフィスの心に静かに響いた。
セラフィスの記憶は、さらに過去の奥深くへと遡っていった。
彼はいつも孤独だった。生まれたときから不吉な兆しを背負った子として疎まれ、家族からも見捨てられ、誰からも愛されることなく育った。彼が初めて「家族」と呼べる存在に出会えたのは、リンゼイとフレデリック、そしてエレーヌと共に過ごしたあの日々だった。
彼らは、自分を決して疎まず、受け入れてくれた。それだけでよかった。それだけで、彼は幸せだった。なのに、リリアへの叶わぬ恋心が、いつしか彼を闇の深淵へと追いやってしまったのだ。
(私が本当に、欲しかったのは……)
自嘲するような微かな笑みが彼の唇に浮かぶ。心の隙間を埋めようと望んだ愛が手に入らないと知った瞬間から、彼は歪んでしまったのだ。愛されないなら、せめて自分の手で全てを壊してしまいたかった。自分の痛みを世界に分け与えることでしか、生きることができなくなったのだ。
目の前では、リンゼイとリリアが共に立ち、影の騎士たちを次々と打ち払っている。その姿はまるであの日の舞踏会のように美しく、眩しく、そして苦しかった。
(私は……お前たちのようになれなかった……)
いつしか、セラフィスの瞳からは熱い涙が静かにこぼれ落ちていた。
「……なぜだ、なぜ……」
セラフィスの表情が歪む。彼は何か言おうとしたが、唇は震えるだけで言葉を紡げない。彼の胸には、かつて抱いていた淡い望みが蘇っていた。
リンゼイを兄弟のように慕い、共に笑い合った日々。初めてリリアに会い、彼女の美しさに胸を高鳴らせたこと。今になって溢れ出してくる。
「私は……!私は、ただ……ただ……」
セラフィスの瞳が大きく揺れ、顔から徐々に狂気が薄れていく。彼の胸の奥底で凍りついていた感情が、ゆっくりと溶け始めていた。
……。
苦々しい叫びが闇に溶けていった。その声が途切れると、静寂が辺りを包み込んだ。
セラフィスは跪き、静かに息を整えていた。彼の瞳にはもう、怒りも憎しみもなかった。ただ、限りない虚しさと儚い願いだけが浮かんでいた。
彼の心に蘇ったのは、穏やかな記憶。
若かりし頃、リンゼイと肩を並べ、国の未来を語り合った夜。言葉にせずとも伝わった信頼と友情に満ちたあの日々。
(リンゼイ……俺はお前に信じられていたのか……)
次に浮かんだのはフレデリックとエレーヌの姿だった。共に闘い、時には笑い合ったあの日々。彼らの視線がいつでも自分を気遣っていたことに、なぜ今まで気づけなかったのだろう。
(フレデリック、エレーヌ……お前たちも、俺を見捨ててはいなかったのだな……)
そして最後に、彼が愛したリリアが瞳に浮かぶ。彼女が向けてくれた笑みは恋ではなかったが、慈悲と友情に溢れていた。その微笑みに救われていた日々が、彼の心を温かく照らした。
(リリア……君は私の想いに応えはしなかったが、それでも君は私を否定しなかった。それだけで十分だった……)
心に宿った小さな温もりが、セラフィスを包み込む。もう闇も絶望も、彼には不要だった。
「……私は、ずっと……愛されていたのだな……」
セラフィスは呟きながら微かに微笑んだ。その瞬間、彼の体はゆっくりと光の粒子へと変わっていった。その表情は静かで安らかだった。
「さらばだ……友よ……」
セラフィスの囁きは静寂に溶け、彼は光と共に穏やかに消えていった。
リンゼイとリリアは静かにその光景を見つめていた。二人の瞳には、かつての仲間への深い悲しみと慈愛が浮かんでいたが、それ以上に、彼が最期に見つけた穏やかな幸福への安堵が宿っていた。
ようやく、長きにわたる呪いの輪舞は終わりを告げたのだった。
静かな夜月。そこはいつも通りの場所だった。
骸骨たちは、華やかにそして優雅にワルツを踊っていた。
骸骨たちの談笑が響く。
「まさかリリアがリリア皇太子妃殿下だったとはな……」
「僕は初めからわかっていたさ、はっはっは!」
「リンゼイ殿下の目の色が違ったからな、あの方の目には、もう700年前と変わらぬ愛が映っていたのさ」
「やれやれ、長い時を超えて、再びお二人が結ばれるとは……ロマンチックだねえ」
リンゼイは静寂に包まれた墓場の片隅で、冷たい石碑に背を預けるように立っていた。霧が漂う夜の空気は、彼の心を映すように重く揺らめいている。月光が薄く差し込む中、その隣には長年彼を支えてきた騎士——フレデリックが、無言で佇んでいた。
「……フレデリック、どう思う?」
低く、掠れた声で呟いたリンゼイ。その声には深い苦悩が滲んでおり、彼の中で渦巻く迷いが、まるで霧のように散らばり続けている。
フレデリックは静かに目を閉じ、一瞬だけ眉間に皺を寄せた。だが次の瞬間、彼はゆっくりと目を開け、穏やかな口調で答えた。
「どう……とは?」
「……私は、この呪われた夜を終わらせるためにここにいるつもりだった。しかし、今は……」
フレデリックは微かに口元をほころばせ、静かにリンゼイを見つめた。その視線は、主君としてではなく、長年傍らで共に戦いを歩んできた友としてのものだった。
「それが殿下の本心であるならば、迷う必要はございません」
彼の言葉は穏やかだったが、その響きには確固たる信頼が滲んでいた。
「フレデリック……しかし、彼女を選べば、また同じ苦しみを味わうことになるかもしれない」
リンゼイの瞳は薄闇の中に揺れていた。700年にわたる絶望が、彼を縛りつける鎖のように重くのしかかっている。その記憶が、彼の中の迷いを増幅させていた。
フレデリックは静かにため息をつくと、月光の下に浮かぶ彼の影を眺めた。
「殿下、私はずっとあなたを見てきました。何度も戦い、何度も傷つき、何度も立ち上がるその姿を。そして、その度に、あなたがただの一度も彼女のことを諦めたことがないことも」
リンゼイはフレデリックの言葉を黙って聞いていた。彼の中で何かが揺らぎ、そして静かに落ち着いていくのを感じる。
「彼女を守ることが、あなたの戦いの理由ではなかったのですか?」
その問いかけに、リンゼイは月の光を背にそっと目を閉じた。彼の中にある、彼女への深い想いが胸の奥で再び燃え上がる。リリアの笑顔——どれだけの絶望の中にあっても、必ず自分を照らし出してくれるその光景が浮かぶ。
「そうだ……私は、彼女を守りたい。ただそれだけが、私を動かしてきたのだ」
静かに、しかし確かな声で呟いたその言葉には、迷いがなかった。リンゼイの瞳に光が宿り、背筋がぴんと伸びた。
「フレデリック、お前が私の騎士で本当によかった」
フレデリックは微笑を浮かべ、剣の柄に手を添えた。
「殿下。どこまでもお供いたします」
リンゼイは冷たい墓場の霧の中を歩き出した。その足取りに、もう迷いはない。彼の胸には、700年の苦しみを乗り越えるための覚悟があった。
「リリア……」
リンゼイがリリアの名前を呼ぶと、その声は墓場を漂う霧の中で優しくも強く響いた。リリアはゆっくりと彼の方へ振り返り、瞳の中に微かな不安と温かい信頼を湛えていた。彼女は、彼が抱える苦悩の重さを誰よりも感じ取っていた。
「……リンゼイ」
その問いに、リンゼイは静かに頷いた。彼の瞳には確かな決意が宿りながらも、心の奥底には深い哀しみが漂っていた。
「リリア、ダンスを……」
その言葉を聞いて、リリアは静かに彼を見つめた。彼の長いコートが風に揺れ、いつも通りの優雅な姿勢を保っている——けれど、その指先はかすかに震えていた。
それが、彼の迷いを物語っていた。
彼女の唇は動かず、ただ静寂が二人の間を包み込んだ。だが、リリアはすぐにその意味を悟ったかのように微笑んだ。その微笑みには、別れへの悲しみと、新たな始まりへの理解が込められていた。
リリアは小さく頷いた。
彼の歩く後ろをついていくたび、胸の奥で疼く感情が強くなっていく。
——まだ、言えていないことがたくさんある。
けれど、何を言っても、この運命を変えることはできないと、どこかでわかっていた。
骸骨紳士の態度は、あくまで冷静だった。それがかえって、彼の迷いを際立たせていた。舞踏会の中心へ戻ると、骸骨たちが静かに見守っていた。
「……ひとつ聞いていい?」
「……何だ、リリア?」
リンゼイは静かに問い返す。その声は低く落ち着いていたが、その奥に隠しきれない哀しみが混じっていた。
リリアは一瞬迷ったように目を伏せ、しかし覚悟を決めたように彼を見上げた。
「どうして……どうして、あなたが消えなければいけないの? これ以上……」
彼女の瞳には涙が浮かび、震える声がその胸の内をさらけ出していた。リンゼイは静かに微笑むと、ほんの少しだけ彼女に歩み寄った。
「リリア、俺たちはもう十分に苦しんだ。だが、この場所が存在する限り、君も、俺も、そしてここに囚われた全ての者たちも、解放されることはない」
リンゼイの言葉は冷静だったが、どこか寂しげな響きがあった。彼は遠くを見つめるように目を細め、続けた。
「ここが消えれば、君は自由だ。そして、俺は……俺たちの悲劇はようやく終わる」
その皮肉めいた言葉に、リリアは一瞬息を飲んだ。彼の言葉の裏にある深い哀しみを感じ取ったからだ。
「だが、許されるのなら永遠にここで踊っていたい、君とずっと」
「……」
「俺の心は、最初から奪われていたんだな……!」
そう言ってリンゼイは苦笑を浮かべた。彼の肩には、これまでの全ての重みが乗っているようだった。
リリアはその笑みを見て胸が締め付けられるような思いに駆られた。彼が自分を守るために、すべてを犠牲にしてきたことを、彼女は痛いほど理解していた。涙が自然と頬を伝い落ちそうになるのを、彼女は必死にこらえた。
その姿を見たリンゼイは、彼女に優しく声をかけた。
「……リリア、泣いてもいいのだぞ」
その言葉に、彼女は笑った。
「泣かないわ。だって、あなたとの思い出を涙で曇らせるなんて、勿体ないもの……」
「……どこまでも気高い、それでこそ俺の唯一の人」
リンゼイは彼女の頬にそっと手を伸ばし、彼女の涙を指先で拭った。その手の温もりは、まるで最後の優しさを届けるようだった。
「リリア、これが俺の選んだ道だ」
彼の言葉には揺るぎない確信があったが、その奥にはリリアへの限りない愛情が込められていた。
二人の足音が大広間に響き渡り、その動きは徐々に調和を見せ始めた。
彼らのダンスは、これまでの悲劇を振り払うような、そして新しい希望を奏でるような旋律に満ちていた。光が舞踏会の広間を包み込み、骸骨たちが次々と姿を消していく。彼らの魂が成仏するように、静かに消えていった。
その光は祝福そのもの。美しく幻想的な灯が二人を包み込んだ。
そして、最後の音楽が静かに終わりを迎えると、リンゼイとリリアは向かい合い、互いを見つめた。リンゼイは微笑みながら、静かに告げた。
「さよならだ、リリア。これで君は自由だ」
「リンゼイ……リンゼイッ!」
光が二人を包み込む中、リンゼイの姿は徐々に薄れていった。リリアはその場に立ち尽くしながら、そっと残された温もりを胸に抱いた。
夜が明け、舞踏会の跡形も消え去った頃、リリアは一人、光の中へと歩き出した。彼女の胸にはリンゼイとの最後のダンスの記憶が深く刻まれていた。それは、哀しみと共に、未来への希望を宿した記憶だった。
孤児院の朝は早い。
まだ陽も昇りきらぬうちから、子供たちの弾むような笑い声が響く。
「院長先生!今日はお祭りなんでしょう?」
「ねえ、一緒に行こうよ!去年は行けなかったから!」
子供たちの無邪気な声に、リリアは思わず微笑んだ。
「ええ、みんなで行きましょう」
そう言うと、子供たちは歓声を上げ、庭を駆け回った。
忙しい日々の中、彼らの笑顔に救われることが多くなった。
抱きしめてあやし、手を引いて歩き、温もりを感じるたびに、ここが彼女の居場所なのだと知る。
それでも——夜になると、寂しくなる。
静寂が訪れるたび、あの夜を思い出す。
彼の腕の中で踊った最後の舞踏。
骸骨たちの笑い声。
月明かりに照らされた、終わることのない夜。
(……私は、彼を忘れてしまうのだろうか)
そんな思いが、胸を締めつける。
あれは夢だったのか。
それとも、本当に起こった出来事だったのか。
——確かなのは、彼がもういないということ。
祭りの夜、町は賑わいに包まれていた。
華やかな提灯が風に揺れ、屋台の明かりが夜空に浮かぶ。
子供たちは無邪気に走り回り、金魚すくいに夢中になったり、綿菓子をほおばったりしている。
「院長先生!見て見て!これ、光るの!」
笑顔を向けられるたび、リリアの心は温かくなる。
こうして誰かのために生きられること、それが今の彼女の幸せだった。
——そのはずだった。
ふと、どこからかワルツの旋律が聞こえてきた。
(この音……)
足が、自然と音のする方へ向かっていた。
胸の奥がざわめく。
甘く、懐かしい感覚。
(まさか……)
そんなはずはないと分かっている。
けれど、胸の奥が疼くように騒ぐ。
そして、その瞬間——
「……一曲、お相手願えませんか?」
不意に、誰かの手が差し出された。
——心臓が跳ねた。
ゆっくりと顔を上げると、そこには一人の青年がいた。
夜の灯りに照らされた漆黒の瞳。
優雅な立ち姿に、静かな微笑み。
その瞳には、どこか懐かしい影が揺れていた。
(この人は……)
違う。でも、懐かしい。
青年は変わらぬ微笑みのまま、手を差し出した。
「……ええ、喜んで」
リリアは、まるで引き寄せられるように、その手を取った。
音楽が響く。
夜風が、そっと二人を包み込む。
彼の腕に導かれるようにして、リリアは踊り出した。
懐かしさと共に、胸が締めつけられる。
足が自然と動く。
旋律に身を委ねるたび、涙が込み上げそうになる。
(懐かしい……)
彼の手の温もりが、あまりにも愛しかった。
泣きたくなるほど、恋しかった。
まるで、あの夜の続きを踊っているみたい。
あの時、終わらせるしかなかった舞踏。
果てしない夜の迷宮の中で踊り続けた、最後のワルツ。
それが、ここで、ようやく終わる気がした。
それなのに――。
青年の指先が、そっと彼女の頬を撫でた。
その仕草は、あの人と同じだった。
身体が、震える。
(この手を、知っている——)
涙が、滲む。
驚いて目を見開くと、青年は静かに言った。
「……リリア、泣いてもいいのだぞ」
——その声を聞いた瞬間、堰を切ったように涙が溢れた。
ずっと、寂しかった。
ずっと、待っていた。
ずっと、求めていた。
なのに、彼は消えてしまった。
もう一度会いたいと、何度願ったことか。
もう一度、あの腕の中で踊りたいと、どれだけ祈ったことか。
——その願いが、今……。
リリアは、青年の胸に顔を埋めた。
「……ずるい……そんなこと言われたら、泣くにきまってるじゃない」
問いかけた声は、震えていた。
青年は何も言わなかった。
ただ、そっと微笑んで、リリアの涙を親指で拭った。
優しく、静かに。
まるで、700年の時を超えて、再びここで巡り合うことが決まっていたかのように——。
リリアは、もう何も言わずに、ただ彼の手を握り返した。
あの夜と同じように、彼の腕が彼女を包んでくれる。
それが、何よりも幸せだった。
夜の祭りの喧騒の中、
ただ二人だけが、ゆっくりと静かに、踊り続ける。
涙の痕を残したまま、微笑みながら——。
それは、終わりではなく、始まりだった。
運命に弄ばれ、幾度となく引き裂かれた二人。
けれど、もしこの夜がまた巡り逢いの奇跡をもたらすなら——
彼らは、またきっと踊るのだろう。
新しい夜明けの訪れる、その日まで。
骸骨紳士と秘密のワルツ 星トラ子 @toraco-hoshi
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます