詩集【青色矮星】

神楽鳴&青色矮星

~高校生

駄文

冷酷な雨が囁く、明日からの人生が

濡れた溝鼠どぶねずみの斜陽小説になると


あの頃の輝きは

今までの私、そのものが

幻となって書き直された紙屑に成り果てる


凍える光芒こうぼう薄命はくめいの三原色だとしても

飢えた狼の群れに戦慄せんりつを掻き鳴らすよ


深夜二時、生まれつきの不眠症

クロロフィルばかり、頭を駆け巡って

止めどない環状の死生観が

小説の題材を、花束を踏み散らすよ


駄文ばかりが連なった

指先を伝う、黒ずんだインクが

心を打ち止めるのさ


脚本の中の登場人物や

色覚の細胞分裂

背中を駆け破って、生み出した蝶の名は...


青黒い改訂に

埋まり行く秒針と

白いカーテンに包まれた私を


慰めなくていいんだよ

そのままの僕でいいの?

目を覚ませば、地下一階の廃材置き場


体を打ち破る壮絶な小説が

腐り果て、アルデヒドの黎明れいめいに落つ

嫌なことが沢山蝕んだ

堕落した人生に

物語はあるの...


例文ばかりが連なった

安っぽいチラシ達と付き合っているのさ


僕は不器用な月光で

変わらない芸術を何時いつまでも

愛してると、言い張った



駄文ばかりが連なった

指先を伝う、黒ずんだインクが

心を打ち止めるのさ


脚本の中の登場人物や

色覚の細胞分裂

背中を駆け破って、生み出したさなぎの名は...


この世界に咲き染んだ幼い命達を

ただ、願っているのさ


小説の最終ページ、頼りない自分が

何気なく、息をして生き合ってるのさ...



冷酷な雨が囁く、明日からの人生が

濡れた溝鼠の愛情小説になると

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