高嶺の王子様の幼馴染 〜イケメンな幼馴染と仲のいいクラスのアイドルがある日、俺に友達になってと頼んできて、家に入り浸るようになった〜

赤瀬伊織

第1話 高嶺の王子様の幼馴染

 俺の名前は間遠純人まどおすみと、ごくごく普通の高校一年生。

 成績、運動神経ともに普通でクラスでも口数が少ない人見知りだ。

 そのため、クラスでも友達は幼馴染ただ一人だ。


 その幼馴染は、真っ赤に染まっている赤にセンター分けをしている髪の毛が特徴の名前は、綿谷蓮わたやれんと言って、成績は悪いが、運動神経がとても良く、さらに性格も顔もめちゃくちゃいい、成績以外は、非の打ち所がない完璧な人間だった。


 そのあまりにも完璧な人間性から、クラスの女子、ひいては学校中の人たちに「高嶺の王子様」なんていう愛称で呼ばれていた。


 俺はあまりにもイケメンな幼馴染持ってしまったものだから、みんなから「高嶺の王子様の幼馴染」などと言う名称で言われることもあった。


 俺のクラスでは、相変わらずイケメンな幼馴染、蓮とその女友達である恵花奈々えはなななが、仲良さそうに話をしていた。


「ねえねえ、蓮、明日の小テストの勉強した?」

「ん? そういやしてねえー! やべぇー!」

「やっぱりそう言うと思った、ほら、これ私が昨日勉強のために使ったノート、私とっても優しいから見せてあげるよ」

「まじ!! やべえ! 奈々超優しいまじ感謝!」


 蓮と話している恵花さんは誰でも見惚れる容姿と、美しい茶色のロングヘアーそして、高嶺の王子様の幼馴染の友達いうことで、クラスのアイドルとしての地位を確立していた。


「ねえねえ! 二人ともなんの話してるの?」

「あ、穂乃果! おはよう」

「奈々、おはよう相変わらず可愛いねっ!」


 今、蓮と恵花さんの会話に参加したのは、恵花さんと同じくクラスのアイドルである、高崎穂乃果たかさきほのかだ。


 彼女も恵花さんに負けず劣らずの容姿を持っていて、オレンジ色の髪の毛の可愛らしいショットカットヘアーが特徴の美少女だ。

 俺のクラスにはこんなに可愛い美少女が恵花さん以外もいるんだから恐ろしい。


「穂乃果は勉強したの? 小テストだよ明日」

「ん? うえ!? そうなの!? 知らなかったよ〜! まあ、なんとかなるか! いざとなったら奈々に教えてもらうしっ!」


「あなたは、本当にお気楽ね」

「えへへ、それがわたしの取り柄ですから〜!」

「褒めてないわ」

「あはは! まあ穂乃果の言った通りなんとかなるだろ!」


 相変わらず三人はとっても楽しそうに話をしていた。

 俺は、そんな三人を見ていると、ポケットにしまっていたスマホが鳴った。


(なな) 間遠くんにも後でノート見せてあげようか?

(すみと) え? いいの?

(なな) うん、一ページめくるごとに千円ね。

(すみと) じゃあいいです。

(なな) 嘘嘘! 今日遊びに行った時に見せるね!

 俺は恵花さんとメッセージを終えると、彼女達の方を見た。


 すると、恵花さんはこちらを見ながらニコニコして手を振ってきた。

 そう、俺は幼馴染のとても仲のいいクラスのマドンナである恵花さん友達になった。


 彼女との初めての会話は。

 それは、二週間前に遡る。


 ※※※


 今日もいつも通り、俺は学校に登校した。


「純人、今日も学校頑張ろうな!」

「ああ、すげーだるいけど、てかさ蓮今日って暇か? 暇だったらさ俺の家で遊ばないか?」


「悪い! 俺今日部活なんだわ〜! ほんとに悪りぃ、ああ〜俺もお前の家で一緒にゲームしたかったよ〜」

 蓮は高校のバスケ部に所属している。

 バスケの腕はピカイチで、高校一年ながら、次期エースとまで言われている。


 将来はバスケ選手かな?

 バスケ選手の幼馴染としてテレビからインタビューされたりするのかな? 俺。

 今のうちにインタビューされた時どう答えればいいか、具体的な内容をノートにでも書いておくべきかな?


「蓮、最近ゲームするの楽しみになってるよな!」

「ああ! 純人の家に行くたびにゲームやってたらなんかハマっちまった!!」


 蓮は元々ゲームに興味はなかったが、俺が蓮と遊ぶ時いつも蓮一緒にゲームをやろうと誘い続けていると、いつのまにかゲームにハマったらしい。


「ようやくお前もゲームの面白さに気付いたか!」

「ああ! 超面白いよなゲームって!!」


 蓮と楽しそうに喋っていると、俺と蓮のところに一人の女の子がやってきた。


「ようよう! 今日も一日、お疲れーぃ!!」

「おう! 奈々今日もお疲れだな! ん? 今日なんかお前テンション高くないか?」

「ええ〜? そんなことないでしょ! ていうか、連は今日はこのあと部活?」 


「ああ〜そうなんだよ……今日は授業比較的難しいの多かったし、できれば家でゆっくり休みて〜はあ〜あああ〜」


 蓮は今日一日の授業の疲れと、連日の部活の疲れで、思わずあくびをしたみたいだった。


「ふ〜ん、あくびしちゃって、まあ、部活頑張ってね!」

「おう! それじゃあちょっくら行ってくるわ、また明日な! 奈々! それに純人も!」


 蓮はそう言うと、半ば早歩きで部活に向かって行った。

 蓮が教室からいなくなると同時に、恵花さんは俺の方に体を向けて、笑顔で手を振った。


 俺は、手を振ってきた恵花さんに軽く会釈をした。

 俺の会釈を恵花さんが見ると、俺から体を逸らして、恵花さんは友達のところに向かって歩いて行った。


 俺は、それを見届けると自分の席に向かって歩き始めた。

 恵花さんめちゃくちゃ可愛いな、恵花さんに手を振られたけど、軽く会釈する程度しかできなかったな。


「奈々! 今日さパンケーキの店行かない?」

「おっ! いいねそれ! 行っちゃう?」


 自分の席に着くと、恵花さんとその友達の高崎さんが話す声が聞こえてきた。


「なななと穂乃果今日パンケーキ食べに行くの? 私も行きたーい!!」

「わたしもわたしも!!」


 恵花さんと高崎さんの会話を聞いたのか、他のクラスメイトの女子も二人の元に集まってくる。


 恵花さんはクラスメイトの女子から「ななな」と言う愛称で呼ばれている。

 なぜ、「ななな」なのか?


 それは、苗字の「えばな」と名前の「なな」を繋がると、えば「ななな」となって、「な」が三つ繋がることからきていると言われている。

 俺は帰る準備をしながらそんなことを思っていると、恵花さんがこちらを見ながら何やら意味深な笑顔を見せていることに気がついた。


 俺は、そんな意味深な笑顔を見せる恵花さんを見ると、彼女はすぐに俺から目線をすぐに離して、再度、友達と話を開始した。

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