聖皇偽伝

宮乃崎 桜子

太古

地は闇に閉ざされ、あまたの悪しき霊に支配されていた


神は神子みこを地に遣わし、悪しき霊を平らかにされた

神子は北域の悪しき霊を赦して神獣玄武とし、国を護れと命じられた

神子は南域の悪しき霊を赦して神獣朱雀とし、国を護れと命じられた

神子は東域の悪しき霊を赦して神獣青龍とし、国を護れと命じられた

神子は西域の悪しき霊を赦して神獣白虎とし、国を護れと命じられた


中原の悪しき霊を三角霊みづちという

ヒトに悪しき夢を見せる魔性であった

神子は三角霊の角を折り一角獣とし、良き夢のみ見せよと命じられた

一角獣は地の光満ちて平らかなる夢を見せ、神子を祝福した

もって、神はそれを予知夢とした



  「真秀まほら皇国創世神話」口伝より 聖宰相による書き起こし

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