わたしは罪人【ショートストーリー】
砂坂よつば
じゅのの一夜の過ち
じゅの「うそつき!嘘つき!!ウソツキ〜〜〜ぃ」
防音がしっかりしているホテルの中でヒステリックに叫ぶわたし。
右手に握りるモノはあなたから溢れ出す液体で錆びてしまいそうな程ぽたりぽたりと滴たり、ダブルベッドの真っ白いシーツの上にアートの様に描き落ちる鮮血。
そろそろ気づいたからわたしの右手に握るモノが出刃包丁だって事を。
ベッドの中央で上半身裸になったわたしの上司でありかつての恋人は
もう肉の塊に変わってしまい何も喋ってくれない。
3ヶ月前このホテルのレストランでわたしと
独り身で寂しいと言ったのに。
わたしのかつての上司あり恋人は嘘つきだ。
彼が会社が休みの土日や祝日はいつも予定があるから会えないという理由に
どうして気付かなかったの。
1人過ごす休日が寂しくて彼の投稿するSNSを偶然見つけたのがダメだったの。
わたしの恋はどうしていつも報われないの。
右手に握った出刃包丁を彼の隣に置いて
わたしはホテルから逃げるように去った。
(終)
※
わたしは罪人【ショートストーリー】 砂坂よつば @yotsuba666
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