第一印象では決めていません。

尾崎ちょこれーと

第1話

ー「出会い頭に殴りつける。

そんな事しちゃあいけません。」

お母さんが、私に教えてくれた事で

唯一正しかったのはコレだけだ。

「殴る前に殴らなきゃ。」

常にファイティングポーズを取らせるように

育てたのもお母さんだったけどねー


煙草に火をつけながら、店長は、言う。

「甘ちゃんは、甘ちゃんて気づかないから、

甘ちゃんなんだよなあ。

お前さ、気づいてないでしょ??

お母さんて呼んでるの。

常識的には、母って言うのよ」

ああ、そうか。そうだねと店長の横顔を

出来る限り子どもらしく睨みつける。

何言ってんだこのロ◯コン。

見抜けないくせに。

何時だって、ファイティングポーズ。


「煙草、やめたほうがいいよ〜。

身体に毒でしかないから」

なんて定型文の可愛い台詞を吐いてから

グッと息とめて近づいていく。


「私の為にやめてよ?ってか〜。

だれでもいいそうな言葉じゃ、

ミツキには勝てないよ〜。

ナンバーワンは遠いなあ〜。」


何もわかってないやつ。は、

ドッチだよ。

やめなさいよ、煙草。

そう、誰の為でもない、わたしのためだけ。

そこだけは、合ってたね


臭いから、ただ単純に。

不快だから、ただ単純に。

副流煙が、わたしの毒にしかならないから。

やめてよ、ただ単純に。

嫌いだから、ただ単純に。

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