第10話 心との出会い④
かな「メリー。心ってどうやって読むの?」
メリー「感覚」
聞かなきゃ良かった……。そんなの言われても一生分からないよ。感覚って、プロが言うことじゃん。
メリー「ガッカリしないで。私より詳しく説明してくれそうな、親友がいるじゃない」
そうか!さきに聞けばいいんだ。少なくとも、感覚とは言わないはず。
(メール上にて)
かな「心ってどうやって読むの?」
さき「心を覗くイメージ」
かな「心を閉ざした人のは?」
さき「包み込むイメージ。北風と太陽のように、心を攻撃するのではなく、包み込んで、閉じているドアを開けるの。心だけじゃなくて言葉も必要だけどね」
かな「なるほど。」
さき「もうひとつは感覚。どっちでもいけるよ」
かな「前者を採用させていただきます」
さすが、国語の偏差値66の天才!あとは、せなん君が来てくれるかどうか。
さき「せなん君のことで悩んでるの?」
かな「なんで知ってるの?」
さき「メリーが教えてくれた」
だからメリーがしばらくいなかったんだ。この前といい、意外とメリーとさきって仲がいいのかな。
メリー「さきには全部話したよ。隠すことでもないし、あの子はアーツに詳しいからね。かなひとりで背負うことでもないし」
かな「ありがとう」
今日も、夜にあそこへ行ってみよう。せなん君が来るかは分からないけど。
次の日の朝
せなん君来なかった…。私が強く言ったからかな?出会ったばかりであんなこと言って、迷惑だったよね。
さき「そんなに思い詰めなくていいんじゃない?まずは、あの子が何に悩んでるのか聞き出さないと」
かな「そうだよね。それをどうやるかが難しいんだけどね」
その日の夜
来た!
せなん「あなたも悩みがあってここへ来るんですか?」
かな「そうだよ。せなん君がどうしたら悩みを話してくれるか悩んでるの」
せなん「悩まなくていいです。そんなこと」
かな「心を閉ざしたまま生きるのって難しいよね?」
せなん「……そんな事、考えません。心を閉ざしたままなんて、生きられませんから。」
かな「やっぱりそうだよね」
せなん「僕はあと何回、朝日を見られるでしょうか」
かな「どういうこと?」
せなん「……僕、死にます。」
かな「え……?」
せなん「もう何も考えなくていいって思うと、つい口が滑っていまいますね。なぜかあなたには話しすぎます」
かな「なんでそんなに冷静なの?死ぬとか自分から言うことじゃないよ」
せなん「……僕はもうすぐ、夜に泣かないようになるでしょうから、もう僕のことで悩まなくていいです」
かな「いや!悩むよ」
せなん「……なんでそこまでするんですか?」
かな「せなん君は、今小6だから次中1だよね。来年、同じ中学校で過ごせるかもって楽しみにしてたんだよ」
せなん「あなたの楽しみをひとつなくしてしまったことはすみません」
かな「そうじゃない。そうじゃなくて、なんで死にたいって思うの?」
せなん「……」
かな「私は、せなん君と生きようとするのをやめないよ」
せなん「もう諦めてください」
かな「諦めない!私はせなん君と生きることを諦めない!だってさ、せなん君、なんで泣いてるの?」
せなん君は気づいていないみたいだった。自分が泣いていたこと。自分が強がっていること。
せなん「……なんで、僕は死にたいって思うんでしょうか」
かな「私には分からない。私より小さい人生で何がせなん君をそうさせているのか。……何があったの?」
せなん「ゆっくりとしか話せませんからね。」
せなん君が思い出話を話し始めるのを、私はじっと待った。
あとがき
今回、心を閉ざした少年はまだ小6でした。なので心を開くまでが早い(わたし的には)気がするんです。次のはもっと長く書きたい(欲)。
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