第2話 アーツとの出会い②
アーツ、というおそらく誰もが初めて聞く言葉に、私が首を傾げていると
さき「アーツって何んだろうっておもっているでしょう?」
かな「うん。初めて聞いた」
さき「あなたも使えるのよ」
かな「嘘だ!ありえない!」
さき「いや、ほんと」
かな「……どうやって使うの?」
さき「それはね、(近くに落ちている石を指さして)あの石に向かって、浮け〜って感じでなんかやってたら分かる」
かな「説明下手すぎ。よくわかんないよ」
さき「そう言わずにやってみて!」
分からないって言ってるのに……。
さきは私も魔法みたいなのが使えるって言ってたけど、もし使えたら、私は魔法使いってこと?何それワクワクするじゃん!この年になっても魔法って憧れるよね。
石を浮かせられるなら、ぽわぽわって浮いてほしいな。なんて思っていたら
「え、浮いた……」
石が浮いた。それもぽわぽわと。自分でもどうやったのか覚えてない…。まぐれ、なの?
色々考えていたら、さきが
「出来たじゃん!」
と言った後に、私の耳元でいたずらっぽく
「かなは想像のアーツだね。早く使い慣らせるといいね」
と言った。まるで、私に、今起きている不思議な出来事を、全て知っているでしょ?とでも言うかのような雰囲気を漂わせてくるさきに対して、私は当然の事を言わせてもらった。
かな「えっと、アーツって何?」
さき「アーツ知らないの?」
かな「知らないよ!今初めて見て、使ったんだよ」
さき「ふふ、冗談だよ。アーツっていうのは、私たちが聞き慣れた言葉に置き換えると、魔法、だね。でもアーツ=魔法、じゃない」
かな「違うの?」
さき「うん。それとね、私たちみたいにアーツを使う人のことを″アーツク″と言う」
かな「ほう……」
あーつく……。また知らない言葉。おそらく全人類が初耳だろうな、これまた。普通に考えたらアーツ使いじゃないの?アーツクって変な名前。
さき「かなの頭の上にはてなが見えるから、アーツについて簡単に説明するね。心して聞きたまえ」
かな「よろしく頼む」
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″アーツ″
それは13種類の不思議な力。
バラ、白、風、雲、波、反射光、植物、
音、香り、まる、呪い、心、想像、
の13種で、アーツは構成されている。
例えば、バラのアーツは、バラを咲かせるのはもちろん、バラに関係するいろんな力が使える。とげを使って何かを傷つけたり、人をバラの美しさに魅了されたような、酔った感覚にさせたり。使い方はアーツク次第。
また、想像のアーツを除いた12種のアーツは、互いに密接な関係にある。
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さき「次はアーツクについて話すね」
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アーツクとは、アーツを使う者のこと。
使えるアーツの種の数は、アーツクによってさまざまである。
アーツクが生まれるのには法則があり、
″1人アーツクが生まれると、必ずもう1人アーツクが生まれる″
と言われている。先に生まれた方が先行、あとが後行だ。また、後行に選ばれる人は、先行の″1番大切な人″という定義があるらしい。
アーツクは、1番初めに使ったアーツを1番得意なアーツとし、そのアーツの種(たね)を持っている。例えば1番初めにバラのアーツを使ったアーツクは、バラのアーツの種を手にする。
種(たね)は、アーツの心臓のようなもので、種を壊せばアーツが使えなくなる。永遠に。
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さき「これでだいたい分かった?アーツって結構複雑なんだよ」
かな「だいぶ理解が追いついていないけど、分かった」
さき「なら良かった。……次に話したいのは、私のアーツについてなんだけど……」
かな「?」
どうしたんだろう。さきが黙り込むなんて珍しい。それに、何のアーツか気になる。
さき「私も、もちろんアーツが使えるんだけど。私だけじゃなくて、私の、中にいる、他の人格の子もアーツが使えるの」
かな「あ……」
そうだった。私はまだよく知らないけど、さきは、多重人格者だ。
あとがき
多重人格者とは、正確には解離性同一性障害という障害を持っている人のことです。ちなみに言い忘れてますが、アーツクは、さきが先行でかなが後行です。
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