四十三歳の春だから

あらすじ
　四十三歳、離婚歴有り、娘一人の由実花は、素敵な青年、航太と出会いその日のうちに深い関係になる。
　だが航太は娘の舞にも手を出していた。何か企んでいるのは間違いない。由実花は舞に、航太とは会うなと説得する。だが舞は、離婚の原因になった由実花の過去の不貞を指摘して反発する。
　元夫の晴信に呼び出された由実花は、晴信が運営し、由実花も利用しているヴァーチャル・アトリエの中に、正体不明の緑色の自律行動型オブジェが徘徊していると告げられる。かつて飼っていたブルテリアに似ていることから、ヴェールという同じ名前をつけた。ヴェールはアトリエ内の作品を喰い荒らし始めた。
　晴信はヴェールの対策をしようと奔走するが、手がかりがつかめない。そんな時、航太から情報がもたらされた。ヴェールはコンピューター…続きを読む