『無双世界の夢』

やましん(テンパー)

『無双世界の夢』


 すべての住民が、あらゆる分野、あらゆるテクニックにおいて、天下無双であるという村がありました。


 全員が、完璧無比であります。完全無欠。


 もし、なにかで闘っても、勝敗は付かないのが普通です。


 レスリングでも、おすもうでも、テニスでも、チェスでも、将棋でも、合唱でも、ピアノでも。野球でも。


 だから、争いごと、勝負ごとは、やりません。


 何をやっても、みんな完璧なので、やるだけムダなのです。


 あるひ、そこに、なにかの間違いで、やましんがやって来たのです。


 なぜ、天下無双、完璧無比の村に、現れたのか?


 完璧無双な人々は、初めて悩んだのです。


 『理由がわからないべなあ。』


 しかし、みな、完璧ですから、いじめなんかは、いたしません。


 完璧な人は、完璧でない人をいたぶったりはしないのです。完璧無双のひとが、そうでない人をいじめたりしたら、完璧ではなくなりますから。


 完璧ですからね。


 でも、さすがに、なにか、仕事をしてもらう必要がありましたが、なんせ、完璧無比な村ですから、完璧無比な仕事以外は念頭にありません。お掃除にしても、まさに、完璧無比なのです。ちりひとつあるわけがありませんでした。


 やましんは、お掃除ひとつ、完璧にはできません。


 しかし、みな、完璧ですから、追い出したりはしません。


 でも、村の仕事にやましんが絡むと、完璧無双の完璧無比は、崩れてしまいます。


 そこで、やましんが、提案しました。


 『ぼくは、夢想に徹します。』


 『おー! そうれは、すばらしい🎵』


 こうして、やましんは、ついに、ひたすら夢想において、完璧無双と言われるようになりました。



         👅



     😪😪😪😪😪😪😪😪😪😪



          🙇ジッサイソウダナ……











 

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