月下因縁桜
@silverwith225
プロローグ
成功するなんて確信はない、成功しようが失敗しようが、どうせ僕たちは忘れられる。転生したってそれは変わらない。確実な死は必ず僕たちを襲う、そんなのは分かり切っている、それでも時に運命に抗わなければならない時というものが来る。それが今なの、残された時間はそう多くない。だから、僕の全部をかける、僕だけ転生が遅くなるけど、それでもいい、皆さえ、皆さえ出会ってくれたら。
「未来にも異能って残ってるのかなぁ、残ってたらいいんだけど」
そんなことを思いながら、僕は五冊の本に手をかざす、いずれ来る遠い未来に僕の願いを託すために。
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