子供の読解力低下が問題となっている世界。
今の子供にも理解してもらうために古典の名作をなろう系っぽく改変する……という話。
現代の社会問題をコミカルに描いていて、深く考えさせられるのに、読み物としても面白いという素晴らしい作品でした。
ありえない未来とは思えないところが、ちょっと怖いですね。
学校で習った作品が出てきて、なんだか懐かしい気持ちにもなりました。
あと、最後の作品の再現度には驚かされました。
文体とか、比喩とか、世界観とか、あの作家の作品にそっくりで、本人が書いたと言われても信じちゃいそう。
いろいろな意味で楽しめる作品でした。
これは着々と現実を侵食しているのかもしれない、「世の中への警鐘」となりうる文学作品である。
主人公は霞ヶ関で働く官僚。これからの学校教育のために教科書に載せる作品について検証していく。
しかし、魯迅の「故郷」や中原中也の「汚れちまった悲しみに」などが、「最近のティーンが喜びそうな内容」に書き換えられているのがわかる。
言わずもがな、「異世界転生・無双チート的な内容」に!
もう完全に原型が残っていない。というか、作品そのものが死んでいる。
でも、こうした事態はこれから本当に起こり得るかもしれない。
そしてこの恐るべき「改変」の嵐は、最終的に思わぬ場所へと着地をもたらす。「な〇う系」ばかりがもてはやされてモヤモヤを感じていた人々は、最終的に「これ」に染まる事態をどう受け止められるか。
社会に対するシニカルな視線と、小説構造に敢然と戦いを挑み続ける作者が描き出した、新感覚の文学ファンタジー。
来週も、SBTmoya氏と地獄に付き合ってもらう!
源氏物語しかり、方丈記しかり。
古文の授業で出てくる定番ですよね。
でも当時は普通の文章だったのです。科目で言えば現代国語。
――では、いつから古文に変わるのでしょう?
五百年前? 五十年前?
本作を読み始め、そんな哲学的な問いにハマリ込んでしまいました。
しかし、文学のテーマは普遍。何年経っても変わりにくい性質を持っています。
逆に言えば作品を今風に再生しても、学べる本質は変わらない。
むしろ「現代」国語として正しい方向…………かも。
ということでアップデートされた国語の教科書、先読みして読んでみませんか?
……ところで。
スタッドレス・タイヤって、誰?