狂った愛情

第2話

始まりは確か、駅のすぐ近くにあるファーストフード店だった。

 

 

 

 

自分が他人より少しばかりズレていることは自覚していたが、入学式早々寝坊で遅刻し、新入生代表の挨拶をぼちゃん。



それを面白がってきもい話し方をしてきたギャル女に、瞼に毛虫乗ってるよって言ったら翌日にはクラス全員フルシカト。

 


しかも私を不良と勘違いしたDQN野郎がうざ絡みしてくるもんだから終いにはブチ切れてしまい、パイプ椅子で顔面をぶん殴った結果一発KO退学コースまっしぐら。

 

 


そんな人間を、とてもじゃないが普通とは形容できないだろう。もしいるとすればその人は多分頭がおかしい。

私が言うのもあれだが。

 

 


なぜやったのかと聞かれれば、ただ単になんとなく、癪に触ったから。それだけ。

 

 

 

我ながら頭のネジどっかで落としてきたんじゃないかなと思うものの、周りの環境が環境なだけに仕方ないと割り切るしかない。

 

 

 

そんな訳で、退学させられてから始めた居酒屋のバイトに向かう前に腹を満たそうとバーガーショップに来た訳だけど、つい最近退学した私としては制服姿の連中がやけにうざったく感じてしまい。

 

 

適当に注文して、テイクアウトでバーガーの入った袋とジュース片手に店の外へ出た瞬間、自分の運の悪さに幻滅した。

 

 

 

 

 

 

「あっれー、氷室じゃん」

 

 

「…………」

 

 

 



えらく聞き覚えのある気持ち悪い話し声。


振り返れば、予想通りの人物が居て。



 


目の前に立ちはだかるいつぞやのギャル女達に、思わず口元を押さえて吐き気をこらえる。

 

 

そんな私の行動に何こいつ超失礼なんだけどー、と文句垂れる連中に更に気分が悪くなった。

 

 

 


…なんでこんなとこで会うかな、ほんと。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る