平安のお話


 あすさらに 面影清く なりぬれば かひある恋に なるやもしれぬ

                            猫の君


 明日さらにきれいになったあなたの姿をみれは、恋がかなうかもしれませんよ。(こんかいはおことわりもうしあげます)


=^._.^=

 これは、命婦の使いの小姓が、相手の男性に相手にされないので困っていた時に、小夜ちゃんが声をかけて、皇子様に代筆をお願いした時に詠んだ歌っすね。命婦はこれ読んでなにぃ!と思ったっすけど、頑張った甲斐があったみたいっすね。



 如何なるも 安寧の宿 同胞の 灯に似た にぎやかな声

                            猫の君


 どんな時でも兄弟たちの明るくにぎやかな声が、安心できる家なんだなぁ


=^._.^=

 これは、猫君が詠んだ、にぎやかで幸せな暮らしが続いたらいいなぁって歌っすね。この時はおいらもいたっすけどまぁ、いたずら大好きで、しょっちゅう乳母から怒られていたっすよ。でも、さみしかったんじゃないっすか。

だからにぎやかで明るい家はいいっすね。



 儚き夢 身分の糸に 織り込まれ 思いは薄き 朝露のごと

                            小夜


 小夜が猫の君に抱く恋心を儚き夢と表現し、身分の違いが私の心を縛っています。まるで朝露のように私の想いは淡く消え去ってしまうのでしょうか。


=^._.^=

 小夜ちゃん、一世一代の告白も、命の危険が迫る今しか言えないと頑張ったっすね。おいらはこれを聞いたときには、よくやったってほめてあげたくなったっす。だって、ずっとそばで猫君様を見つめていて、一番近くにいたっすのに、それを言うことは許されないって、つらいっすね。



 儚き夢 叶わぬ今を 嘆けども 夢のある道 来世に歩まん

                            猫の君


 小夜の和歌への返歌 あなたの儚い夢を今はかなえて差し上げることができないと嘆いています。きっと愛し合う未来があることを望み、来世での再会を誓いましょう


=^._.^=

 儚き夢をかぶせて、今世ではかなえられなかった小夜ちゃんとの恋を来世ではきっとかなえようねって、心中する前に言った言葉っす。死にゆく状況でも、来世での希望をうたうしかできないなんて、せつないっすよね。

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