2日目

今日は紐を持って山へ向かった。


足場用の箱は適当にその辺で見つけた。俺はそれに乗って木に紐をかけ、きつく縛った。首を入れる穴を作った。その中に首を入れたと同時に俺は足元の箱を蹴った。すると紐が首にくい込んでくる。

息を吸う度に紐がどんどん……どんどんくい込んできて、呼吸が荒くなる。


もうほとんど呼吸ができなくなってきた頃雪が降ってきた。方や頭に雪が積もる雪の重さで紐がもっと……もっと、もっとくい込んでもう俺は呼吸ができなくなっていた。でも雪はしとしとと降っている。肩に積もる雪が増え俺の首を吊る紐が切れてしまった。『ドザッ』っと大きい音がして俺は床に落とされた。


それでも雪は降る、雪で俺の体は見えなくなっていた……はずだ。


雪かきに来た若いお姉さんが俺に話しかけてきた。


「だ、大丈夫ですか?」


その声で俺は生き返った。


「な、なぁお前……優芽……か?」


と言うとその女はきょとんとした顔で


「はい、優芽ですけど、初めましてでは?……」


とその女は続けた


「もしかして……吸血鬼……ですか?」


これを聞いた俺は思い出した約80年前、俺が妻と会った時の会話だ。


「そうだ、俺は吸血鬼、そして、お前とお前は結婚する!」


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