暗黒企業に勤める俺が妖精にいざなわれて異世界でムソウする件 【KAC2025-3】
🐉東雲 晴加🏔️
🎉KAC参加作品🎉 暗黒企業に勤める俺が妖精にいざなわれて異世界でムソウする件
ああ、人生もう嫌だ。
朝から晩まで仕事仕事。職場の環境はちっとも良くないし、家に帰っても楽しみの一つもない。
いや、本当なら自宅に帰れば俺のイチオシアイドル、『フェアリーテイル』のライブに行ったり配信を観たりと推し活に勤しみたいところだ。
けれどもうちの会社は薄給な上に土日出勤有り、サービス残業ありのブラックもブラックで、動画配信の時間にはいつも会社にいるという暗黒企業。
そのうち過労死して異世界転生出来るんじゃないかとさえ最近は馬鹿なことを考えてしまう。
魔法も何も使えなくて、こんな暗黒魔王城みたいな会社に勤めるくらいなら、異世界転生して本物の魔王城に攻め込んだほうがいいんじゃないのか?
トリの降臨でも神様の降臨でもなんでもいいから俺をここから救い出して欲しい。休みをくれ、休みを! 異世界転生プリーズ!!
そんな馬鹿なことを考えながら目の前のキーボードをタンターン! とヤケクソで叩いた。
すると目の前のモニターがピカッと光り、くらりと目眩がしたかと思うとキーボードとモニターの間に、ちょこんと小さな羽の生えた謎の生き物が現れた。
「え?」
思わず目をこする。目の前に現れた小さな生き物はフワフワとしたピンク色の巻き毛、髪の毛と同じ黒目がちで人離れしたピンク色の瞳。そして背中には蝶のような羽が生えていて、いわゆる『妖精』と言われる生き物の姿をしていた。
ついに過労で幻覚が!? パニックになりかけているとその妖精はにっこりと俺に微笑みかける。
「貴方は今月21,791人目の特別な人に選ばれました!」
パンパカパーン! と幻聴が聞こえる勢いで妖精が手を叩く。ラノベは大好きだけれど、今まで「おんなじ展開の話ばっかり書きやがって、そんなわけ無いだろ」と心の中で思っていたのも事実だ。
でもごめんなさい! ついに俺にも異世界転生する時が来たのだ!!
一体どんな世界に俺は赴くのだろう? できればチート能力を与えられて無双したいなぁ……俺はワクワクしながら妖精の顔を期待の眼差しで見つめた。
「あ、申し遅れました。わたくし、妖精のコロナと申します!」
それから5日間、俺はコロナとともに念願の会社を休み、異世界転生することになるのだった。
暗黒企業に勤める俺が妖精にいざなわれて異世界でムソウする件 【KAC2025-3】 🐉東雲 晴加🏔️ @shinonome-h
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます