第4話 鬼ごっこ(二)
鬼ごっこが始まってから
黄昏ドキ班の
鬼ごっこから始まって
紺南は
紺南は団子の串や箸をまるで棒手裏剣のように投げて使っている。我家はそれらを鉄扇で弾く。
今度は我家が攻撃を仕掛ける。鳥の子と言う煙玉に火を付けた。鳥の子はすぐに爆破し、周囲を煙で覆った。我家はその隙に手裏剣を何個か投げる。それらは煙の中に吸い込まれた。我家は相手からの攻撃を警戒し、手裏剣を打ったあと、すぐに近くの茂みに隠れた。
煙が薄くなった頃、二人の姿はどこにもなかった。お互いに隠れたのだ。どっちが先に出るか。二人は考える。
先に動いたのは我家だった。我家はわざと茂みから出て、相手の出方を伺った。上から手裏剣が降ってくる。我家はそれを軽々と避けた。
そこにいるのか。相手の居場所を突き止めた我家はすぐにその場所に手裏剣を打つ。勿論、手裏剣を投げたのは近くの木の上、ではなく、その下の茂みだった。
茂みは大きく音を立てる。紺南が慌てて手裏剣を避けたのだろう。少ししてから、手裏剣を打たれた場所とは別の場所から姿を現した。
我家は走ってそちらに近づき、鉄扇で殴ろうとする。しかし、鉄扇はただ風を切っただけだった。
その瞬間、我家の腹に痛みが走った。
「グッ」
思わず声が漏れる。重心が後ろに傾く。倒れないように、と足が後ろに進む。その隙に紺南はこちらへ、近づく。
そして、紺南は我家が鉄扇を持っている方の手を掴み、それを奥に押す。手につられ、我家の重心が後ろに動き、我家はどんどん後ろに進んでいく。やがて、一つの木に当たる。紺南は持っていたを首のすぐ近くに持っていく。
身動きができない。我家は必死に思考を巡らす。
我家は紺南の目をじっと見る。紺南と目が合った。同時に、我家は足を動かし、紺南の腹を思いっきりける。
紺南は抵抗する時間も与えられぬまま蹴られる。蹴られた紺南はつい、我家の腕を話してしまった。自由になった手を大きく上にあげる。そして、力いっぱいに振り下ろそうとする。
同時に、我家と紺南の頭に痛みが走る。
「我家も紺南も落ち着け」
男性の声がかかる。それは二人が聞きなれた声であった。
「組頭!?」
「
二人は同時に驚く。
「お前らは鬼ごっこをしていたんじゃないのか?」
「してましたけど…」
我家が答える。
「じゃあ、なんであそこまで本気の勝負をしてるんだ!」
「いやー、盛り上がっちゃって」
二人は声を揃えて言う。全く、部下を持つ者として恥ずかしくないのか。家伊は心の中で呟く。
「まあ、いい。お前らはまず医務室に言ってこい。お前の部下たちは私がまとめておくから」
我家と紺南は顔を見合わせる。気づけばお互いに小さな傷が所々にある。二人は勝負に集中していて気づかなかったのだ。
二人は家伊に言われた通り、医務室に行くことにした。
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