『スローライフどこ行った!?』追放された最強凡人は、望まぬハーレムに困惑する!?【カクヨム中間選考突破】
たらふくごん
プロローグ
『封印』を秘めた絶海の孤島。
神より賜った、我が領域。
その荒涼とした大地で、我は濃密な魔力を噴き上げる。
目の前の侵入者を睨み付け、つむぐは究極の術式。
封印に釣られた愚かな餌。
――我が使命は、それを討つのみ。
「くらえっ!!我が奥義『
ズドオオオオオ――ッ!!
全てを滅ぼす焼き尽くす衝撃が少年を呑み込む。
確実にとらえた。
手ごたえを感じた我は思わず顔が緩め――
「……ふふん、チリも残らぬ……はず…てっ、はあっ!?」
「……なに?もう終わりなの?」
そこには無傷の少年が立っていた。
「ば、ばかなああああああああっっ!!!」
「ったく。忙しんだよ、僕は」
――魔神、瞬殺。
※※※※※
この星の脅威『おどろおどろしい怪しい城』の中枢。
妖艶な魔力を纏った女神が少年を睨み付けていた。
「もう、消えて♡ 神罰よっ!!!」
吹き荒れる神の裁き。
存在ごと消し飛ぶはずの少年は、只穏やかな瞳でこちらを見ていた。
「な、なんで?なんで効かないのよ?!!…あうっ?!」
気付けば、その少年の腕の中。
次の瞬間、圧倒的な魔力が吹き上がり――
「あー、ごめんね。僕には効かないんだ……エロすぎる君にはお仕置きが必要だね!?」
「ひゃっ!?、ま、待っ…やあああああああ…!?!?」
お尻ペンペン。
闇の女神、完全敗北。
幸福と安らぎに包まれ、彼女は天にも昇る。
なんちゃらの闇の女神、お仕置き完了。
※※※※※
武力?
色気?
ハハッ。
すでに僕は最強だった。
傍らにはうっとりと僕を見つめる可愛すぎる女神ティアリーナ。
後ろには、爛々と輝く瞳で僕を見つめる美女と美少女たち。
…怖い。
マジで怖いんですけど!?
僕の望みはスローライフなのに…どうしてこうなった?!
※※※※※
俺の名は
東京でサラリーマンをやっていた、どこにでもいる32歳独身。
通勤途中、猫に驚いて電柱に頭をぶつけ――そのまま死亡。
――だったはずだが、気づけば神々しい世界にいた。
目の前のジジイが名乗った名は「創世神ファナンガス」
『祖先の悪辣なカルマを払え……完遂すれば、願いを一つ叶えてやろう』
――祖先のカルマ? もしかして“蘇我氏”のこと言ってる?!
俺、関係なくない??
こうして始まった、意味不明な悪辣極まりない試練。
約束の報酬は『スローライフ』。
そして今日も、俺は地獄の世界で目を覚ます。
おいこら。
俺のスローライフ、どこ行った!?
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