禁忌の魔導書

碾貽 恆晟

【支配】の魔法

第1章 不穏な領地

プロローグ 禁忌の魔法



 真っ黒な夜空に白い光がまたたいた。


 夜空の星、などではない。


 あまりに強い、まるで太陽のような光だった。


 光は空高く、一つの都市を照らす。


 何事かと一人二人、窓から顔を出すものがいた。


 だが、誰一人として動けなかった。


 あまりの異常事態に呆然としているのか、それとも光に魅入られたのか。


 光は時間と共に膨れ上がり、ついには都市を覆うほどの大きさにまでなっている。


 そして、ゆっくりと一層輝きを増して、それは落ちてきた。


 まるで、天からの使者のように、あるいは、天からの裁きのように。


 都市を覆い尽くし、明滅を繰り返す。


 次第に光は弱まり、まるで霧のように消え去ってしまった。


 後には何もない。草木と、建物が立っていた跡、残っていたのはただそれだけだった。


 

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