EdenSlayer〜俺だけハズレスキル「豪運」×「死神」のシナジーで最強なんですけど

ポルノハブ

第1話 EdenSlayer

俺(新条結城)は、特に目立つわけでもなく、普通の高校1年生だった。勉強も得意ではないし、運動も不得意。でも、最近学校やニュースで話題になっているVRMMOゲーム「EdenSlayer(エデンスレイヤー)」にはどうしても参加したかった。


「EdenSlayer」は、最先端のVR技術を駆使した大規模なオンラインRPGで、プレイヤーは仮想現実の世界で自分だけのキャラクターを作り、冒険を繰り広げていく。結城のクラスメイトたちも興奮してその話をしており、結城もその波に乗り遅れたくなかった。


数ヶ月、地道にお小遣いをため、ようやく「EdenSlayer」のVRセットを手に入れた。明日からみんなと一緒にゲームを始める予定だったので、少しでもレベルを上げておこうと、結城はその夜、ゲームを立ち上げることに決めた。


「よし、準備完了。ちょっとだけでもやってみようかな。」


ゲームの準備

結城は部屋のデスクに座り、箱からVRゴーグルを取り出す。説明書を読みながら、まずはパソコンにゲームのインストールを開始した。少しの間待った後、ゲームが立ち上がると、ゴーグルを頭に装着する。目の前に広がったのは、リアルに描かれた美しい仮想世界だった。


「うわっ、すごい…これが本当の仮想現実か。」


目の前には、広大な村の広場や、遠くにそびえる山々が見える。ゲーム内の風景は、現実と見間違えるほどの美しさだった。結城は、その圧倒的なリアルさに少し驚きつつも、まずはキャラクター作成の画面に進んだ。


キャラクター作成

結城は、自分のキャラクターを作成する画面に移動した。時間を掛けて決めたのは、「種族」と「職業」だった。


結城が選んだ種族は**「幻影人」(ファントム)**。幻影人は、その名の通り、幻覚を使いこなす能力を持つ種族で、非常に高い隠密能力と戦術的な動きが特徴だった。物理的には少し弱いが、その代わりに巧妙な戦術と戦闘スタイルで敵を翻弄することができる。結城は、その能力に強く惹かれた。


次に選んだのは**「暗殺者」**という職業だ。この職業は、ステルスを駆使して戦うことに特化しており、静かに近づいて致命的な一撃を加えることが得意だった。結城は、戦わずして敵を討つようなスタイルに憧れていた。仮想世界での戦闘はリアルよりも自由度が高いので、幻影者としての能力を最大限に活かすことができるだろうと感じた。


全部が決め終わるとルーレットが回った。

あっけにとられ画面を見ていると、


「固有スキル『強運』『暗殺者』を獲得しました。」

とステータスウィンドウがでてきた。


「ランダムなのか!」


「これで、完璧だ。」


結城はキャラクター設定を完了させ、最終的に顔を隠す仮面を選んだ。これで他のプレイヤーに自分の正体がばれることなく、匿名でプレイできることになる。


「チュートリアルを受けますか?」


「もちろん!」


「チュートリアルのモードが4種類あります。難易度によって初期報酬が変わってきます。」


「地獄 難しい 普通 簡単」

俺は迷いなく地獄を押した。

結城が「地獄」を選んだ瞬間、画面が一瞬真っ赤に染まり、急激に熱気が感じられる。目の前には、溶岩が流れ、焼けつくような熱風が吹き荒れる、まさに「地獄」そのものの風景が広がっていた。空は血のように赤く、煙が立ち込め、地面は割れて熱い蒸気が吹き上がっている。


「うわっ…これはヤバいな…」


結城は思わず息を呑む。足元の岩が割れ、噴火のように溶岩が噴き出している中、彼は自分が選んだ難易度をちょっと後悔し始めた。しかし、後戻りはできない。彼は仮面を付けた自分のキャラクターを見て、意を決して前に進み始めた。


周囲の景色に目を凝らしてみると、遠くに大きな洞窟の入り口が見える。洞窟の中には、薄暗く怪しげな光が漏れ出しており、何かが待ち構えているような予感がする。結城は、そこに向かうことを決める。


「とりあえず、進んでみるか。」


そう呟くと、突然、背後から不気味な足音が聞こえてきた。振り向くと、そこには一匹の巨大な犬のような怪物が現れた。だがその犬は、ただの犬ではなかった。全身は赤黒い皮膚に覆われ、目は炎のように赤く光っている。口からは火を吹き、鋭い牙をむき出しにしながら、結城に向かって突進してきた。


「こ、こいつ…!」


結城は瞬時にステルスモードを発動させる。彼のキャラクターは、消えるようにその場から姿を消した。幻影人としての能力を活かして、犬の目の前から消える。しかし、犬はすぐに周囲を嗅ぎ回り、結城の居場所を探し始めた。


「やばい、バレるか?」


結城は心臓が高鳴るのを感じながら、静かに後退した。背後の溶岩が不気味な音を立てて流れ、結城の動きがわずかに音を立てるたびに、犬がその方向を向く。


「なんとか…これでバレずに…」


だが、次の瞬間、犬が立ち止まり、突然足を止めた。炎のような目を結城の足元に向け、低い唸り声を上げた。


「まずい!」


結城は必死に逃げる準備をする。


「スキル『強運』発動!」


瞬間的に、結城の体が光り輝き、その場から一瞬で消えたかのように移動した。犬は、その奇妙な現象に驚き、再び周囲を探し始めるが、結城の姿は完全に消え失せていた。


「なんだ、これ…すげぇ!」


結城は驚きと共に、強運によって自分が一気に有利な位置に移動したことを実感した。何とか犬から逃げることに成功したが、この先どうなるのかはまだ予測できない。先ほど見た洞窟の入り口に向かうため、再び足を踏み出す。


「ここは油断せず、慎重に進まないとな。」


結城は少し落ち着きを取り戻し、次に進むべく洞窟の中へと足を踏み入れた。

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