エッセイ 晴田蕗
晴田蕗
雨だれ
引っ越し前日の深夜、雨だれの音がやけにひびく。ぴちゃん、ぴちゃんと、ゆっくりになったリズムを聞きながら寝返りを打つ。わたしの大学生活はなんて愚かなものだったんだろうと、ぼんやりかんがえる。また雨が強くなって、リズムが変わる。自由に、自然に、ゆったりと生きたい自分と、勉強しなくてはならない自分が交互に現れる。充電中のモバイルバッテリーは青く光って、雨だれは止まる。思考も、止まる。ゆったりと生きたい自分のほうで、止まる。まあいいか。とりあえず、明日は。窓に背をむけて、今度は自分の呼吸をきく。遠くでまだ、細かな雨がリズムを刻んでいる。
エッセイ 晴田蕗 晴田蕗 @haruhuki
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。エッセイ 晴田蕗の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます