感情読めない美人に告白したらOKでした

なぎちゃ

00「好きな人がいます。」

「えーいやいや、同性が恋愛対象とか有り得るはずないじゃん!そんなん本当なわけないって。ねぇ?篠っち」

「あ、うん。確かに〜」


いきなり中学の頃の記憶がよぎった。

同性愛者。この言葉が嫌いだった。

なぜ、世間では少数の方に名前をつけ多数の方を普通と呼ぶのか。世間からお前は少数派だと言われてるような気がしていた。

あの日、私は1人の友人を失った。

周りに合わせて同性愛を否定したからだ。


「篠宮〜遅い〜ぞ」

家を出ると、親友の春田楓が口をとがらせて言った。

「ごめん。寝坊した」

「またかよー。てかさてかさ!篠宮!」

「なに」

「友達できた?……痛っ!何すんだよ!」

「あ、ごめん。虫がついてて」

「え、マジで!?サンキュっ」


そう言って抱きついてくる。


「楓は?友達…ってか彼氏出来た?」

「もちよー!ほらサッカー部の堀くん」

「まじか、歳上だよな?」

「愛に年齢なんて関係ないからね!」

「そうだね。モテるようで何よりですよ」

「いや、うちよりモテてる人がいるからね〜」

「あぁー確か、」


枸麗奈(ひいらぎ れな)。

100人いれば100人が認めるように顔は良い。


「けど、あの人何考えてるかわかんないんよなー!うちも仲良くなりたいよぉ!!」

「諦めな。」

「ひどー」


とか言いながら、私は最悪なことに無愛想でクールすぎるその美少女を好きになってしまっている……。

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