Star Painters《VTuber界最強事務所へ》
黒豆ちゃん♪
第1話Star Painters
Star Painters―《VTuber界最強事務所へ》
[あなたはVTuberに憧れたことがあるか?]
私は、テレビでたまたま流れてきたその広告を見る。何故か、魅入ってしまう。なろうと思っているわけでもないのに。でも、とてもちいさい会社で地位が下だからといってこき使われている働いている私にとって、それは眩しく見えたのかもしれない。光だったのかもしれない。
[―Star株式会社は、新しくVTuber事務所、通称Star Paintersを開設する!]
Star株式会社…。それは、この世の中で知らない人はいないようなくらい有名な会社である。色んな事業に手を出していたStar株式会社が、とうとうVTuber界にまで手を出すというのだ。ネットは大騒ぎである。色んな人が参加すると言っているのを見かける。
[現在、第一期生の募集を開始している。これを見ている人でVTuberになりたい、個性を発揮したいという人はホームページをチェックして参加してくれ!私は待っている。自分に自信がなくなっていい。どんな人でもとりあえず参加してみないか?]
「VTuber…。第一期生の募集…。」
興味がなかったはずなのに、私はいつの間にかホームページを開いて、その募集要項のところを見ていた。そこに書かれていたのは、《最強になる覚悟はあるか》。これだけだった。個性豊かな人が選ばれるはずなのに、これだけで分かるのだろうか。不安に思いながらも、私の手は【参加】のボタンを押していた。解答欄に「当たり前。」と書いて。これはただの好奇心だった。
◇時は過ぎ、1週間後◇
私のメール箱にStar Paintersからの連絡が来ていた。そういえば、第一次試験の結果発表は今日だった。噂によると第一次試験だけでも倍率は100倍だと聞いていた。それだけ「Star Painters」は期待されていて、みんなが入りたがっているのだ。ただの好奇心で始めた私なんかが受かっているわけなかろう。私は何故かはわからないが不安に思いながらもメールを開く。
┌───あなたは選ばれし者の一人───┐
天音 そら様
第一次試験合格です
第二次試験は面接ですので
○月○日、下に記載されている場所に
来てください
場所:Star Painters2階会議室B
Star Painters取締役 海野 みやこ
└─────────────────┘
まさかの合格だった。これには私も正直驚いた。だって「当たり前。」と書いただけなのだから。しかし、ここまで来たのなら後戻りはできない。最初はただの好奇心で始めたはずのこの試験。自分がここまで来るとは思っていなかった。私はただの凡人で、他の人は天才…。だから、私はこういうのには受からないと思っていた。しかし、受かっている。ある意味これは運命なのではないか。
──だったら、本気で目指してやる!
《最強》を!!!
まだ受かってもいないけど私は勝手に燃えていた。さすがに早すぎるような気が私もしている。でも、私の気持ちは抑えきれないくらいに大きくなっていた。
試験は2日後。第一次試験では個性的なものは出なかったはずだから、きっと個性について聞かれるだろう。私の個性…。個性と言えるのかは微妙だが、私は歌が上手い方らしい、というのを前友達が言っていた。歌で個性を出すことができるだろうか。でも、私にはそれ以外何があるのかがわからない。これはある意味「賭け」だ。自分の人生を変えるための。みんなが本気でかかってくる。そんな中私は歌以外何を賭ける…?コミュ力…高いと言うほど高くもない。私なりのキャラ…そんなにない。
「歌でひれ伏せさせる。絶対に。こき使ってくる上司とかまでもひれ伏せるくらいに。」
どれだけ出来るか…。私は、歌と「自分自身」を賭けて戦う。
───
文字のサイズ(大、特大)ではメールの所がやべぇことになってると思います。すみません。
理解よろしくお願いします。
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