魂の欠片 ― The Boundary of Reincarnation
KAKERA
魂の欠片 ―― 世界のはじまり〈プロローグ〉
コスモ・オーブが壊れた。
それは、すべての魂がひとつに繋がっていた時代の終わりだった。
その頃の魂は、名前も姿もなく、ただの光のような純粋なエネルギーだった。争いも差別もなく、すべてが調和の中で静かに存在していた。
やがて、コスモ・オーブが壊れ、魂は無数のかけらに分かれた。ばらばらになった魂たちは、それぞれに考える力を持ち、自分の意志で選び、悩み、傷つきながら、自由を手に入れていった。
この物質世界にとどまるため、魂たちは自ら「肉体」という形を創り出した。それは、孤独や痛みを抱えながらも、誰かと繋がるための“器”だった。魂は“器”を通じて、個としてこの世界に根を下ろしていった。
それが、今の人間の姿でもある。
◆ 二つの並行世界
魂の欠片は、二つの並行世界に散っていった。ひとつは、輪廻転生が当たり前になった、AIが魂を管理する「ネオ・アルカディア」。もうひとつは、魂の真実を忘れてしまった「リアルワールド」。リアルワールドとは、私たちが生きている現実の世界――都市や社会の中で、日々を過ごす日常だ。
ネオ・アルカディアでは、魂の行き先があらかじめ決められている。見えざる誰かが魂の価値をはかり、未来をコントロールしている。だが、その奥には、さらに大きな“何か”が動いていることに、誰も気づいていない。
◆ 神ルシアの選択
そんな未来を、神ルシアは予見していた。希望を残すため、彼女は自らの魂をいくつかに分け、時空のあいだに送り出した。――いつか、もう一度、世界を創りなおすために。
しかし、まだ誰も気づいていない。その魂たちこそが、この世界を変える力を秘めていることに。
ふたつの世界が、今、ついに交わろうとしている。
◆ 次回予告
東京に生きるひとりの青年――旬。彼の中に眠る“何か”が、世界の歯車を動かし始める。目に見えない真実、記憶の断片、そして魂の共鳴。
運命に導かれた者たちは、まだ気づいていない。自分たちこそが、ルシアの残した希望であることに。
あなたなら、この世界をどう変えますか?
ぜひコメントで、あなたの“魂の声”を聞かせてください。
次回、第1章『魂の目覚め』――すべては、そこから始まる。**
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