泣きたい。生育不良で。

人も動物も街路樹だって、自然の狂ったこの不完全な社会環境のなかでは、だれしも生育不良を起こしている。

傷を患っているのに、それに気づくこともなく、
知らず知らずのうちに自ら抉っていることがある。

なにしてるの? という心の声に、はっと気づかされてしまったとき、振り向かなかった美波の涙にエールをおくりたい。

そしてそのエールは、きっとこだまのように戻ってくるはずだから。

あなたにも。




第二回人生逆噴射文学賞 審査員全員文句なしの大賞受賞おめでとうございます!