第46話

あれ、これやばくないか。顔がどタイプです…!って言い切ったようなものだ。

弁明する?それとも開き直って顔が良い自分が悪いと思え!とでも啖呵切る…?



あわあわする私に、浅葱さん、と再度呼びかける声が降りる。はい!、目をぐるぐるにしたまま返事をして、視点を下に、向き直った。



「……俺、性格に難がある人間ですか」


「はっ?!」


その言葉に顔を上げ、「なんでですか!?」と返す。鳩が豆鉄砲を食らったような表情で、「え、逆になんでですか…?」と聞かれた。



「んん…?」


「え…?」


これはなんだ。先ほどの会話を思い出す。


ーー「じゃあ、コウには性格に難があるんだね!」


思い当たる節があった。顔を覆う。あー…。それか。いやでもあれは有馬くんが…。



「モデルとしての感想かと思って性格は抜きとして説明したらあんなふうに……」


「なるほど……」



じゃあ、性格がダメってわけじゃないんですね!


安心しました。



そう言っていきなり微笑み、和泉くんは「じゃ、また着替えてきます!」と手を振りながらその場を去った。



「はーい……」


力なく手を振る。


………………なんかめちゃくちゃ笑顔向けられたけど、なんだあの破壊力。

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杞憂屋、和泉くんの秘密 樫野 @qiluv_i

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