三葉悠斗
FPS(ファーストパーソン・シューティング)ゲームをやっていると、不意に欠伸がでた。
「ふああ〜あ...。...あっ」
欠伸をしている間に、敵が来て、銃で撃たれて死んでしまった。
「はー。」
俺はその場に寝転がった。最近頭が回らなくなることが多々ある。眠気のせいもあるだろうけど、それよりも深刻な話があるのだ。
俺は藤咲ちゃんのことが好きだ。
まあこれは少し前から勘づいていたことではあるが。
バカで男ノリの多い俺らに当たり障りなく接してくれるし、頭いいし、優しいし、ゲーム上手いし...。
藤咲ちゃんの良いところならいくらでも出てきそうなほどだ。
好きなら告白しろと、どこかの奴は言うだろう。
だが、そうはいかないのだ。
俺には1つの仮説がある。秀や昴たちも藤咲ちゃんのことが好きなのではないか、という仮説だ。
そうだったら、きっと俺らの仲は壊れる。中学の時も、好きな人が被って仲が悪くなった奴(全員女子)を見たことがある。
それは実を言えば嫌だ。
ずっと仲良くしてきた内輪ノリの合う奴らとの仲が壊れるのは御免なことである。
ちらりとテレビの画面を見た。そこには俺が操作するキャラクターが待機している。
俺は体を起こし、ゲームを終了させた。そろそろ寝なくては、明日起きれなくなる。
電気を消して、布団に潜り込んだ。
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