元魔王、第二王子に転生する

るか

プロローグ


それは突発的な事故だった。


支配していた人間どもが手を取り合い、魔族を滅ぼそうとクーデターを起こしたのだ。


城は取り囲まれ、部下は殺され、

最後は人間達を率いていた顔すらわからぬ鎧を着た騎士に心臓を貫かれた。


歴史を遡っていくと、よくある話だ。


勝手に振る舞う王様に国民が不満を持ち、反乱を起こすように、

今回もまた、新しい歴史へと追加されただけ。


これでもう、人間達は魔族に怯える事なく平穏な生活を送る事だろう。


「我は何度でも蘇り、貴様ら人間を一匹残さず殺してくれるわ!」


確か死ぬ前にこんな事を宣言したはずだ。


そんな事を言っても、一度消えたはずの魂が蘇る事などあり得ない。



はずなのだ。



理解したのは2歳の頃、

我はどうやらこの国の第二王子、ソルア・アレクドロスという人間になってしまったらしい。


人間として生きるのは癪だが、これは神が与えてくれたチャンスなのかもしれない。


存分に利用させてもらおう。



我は軽く喉を鳴らすとこれから起こす革命を宣言するのであった。


「人間を滅ぼし、この世を支配してやる!」


こうして元魔王の人間生活が始まるのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る