魔を冠する者、救世の勇者に仕える者
火は燃え盛り硝子は溶け、人は脆く壊れてく
第1話 魔を冠する者
魔を冠する者、人が、生物が変異し、人の悪意を持ってしても殺せぬ者。
ある者は死者の軍で一国を滅ぼし、ある者は火を吹き山を蒸発させた。
ある者はウイルスで半径15km以内の範囲に生息する生物を死滅させ、ある者は数多の人を操り国を乗っ取った。
魔を冠する者は基本的に人型で、それでも何処か異形で、人と敵対する者だ。
しかし何処にでも例外はある、完全に人型な者、完全に異形の者、そして人と敵対しない者。
人と敵対しない者は人の管理下に置かれ、実験動物としてか、軍事力の象徴として扱われる。
魔を冠する者は大抵が強い、そして弱い者は淘汰される生き物だ。
そして実験のもとわかったことは、普通の人間では魔を冠する者を殺しきれないことだけだった。
ただの人では殺せぬ、それを知った人類は絶望した、勝てない、もう無理だと。
しかし人間はしぶとい生物なのだ。
人間に魔を冠する者、その遺伝子や細胞を組み込むことで、人が魔を冠する者を殺せる様になる手術。
それを軍全体に行い、魔を冠する者達と対抗出来る様にしたのだ。
手術の成功率は50%、その内で適応し生き残る確率は10%であり、ほとんどの兵士が死んだ。
しかし少数だが生き残った者、それを人類は『勇者』と呼んだ。
勇者は強く、ある程度の魔を冠する者に勝てる実力を持っていた。
しかし最上位の者達には勝てない、そのため人類はまだ、魔を冠する者と敵対しているのだ。
けれど土地を多少なりとも奪い返した、人が暮らせる土地を作ったのだ。
その土地で勇者達は結婚し、次世代の勇者を育んでいる。
勇者達の子供は親より強くなるとゆう特性がある。
そのため勇者の子供は、勇者の卵は人類総出で守らなければならないのだ。
そして戦いの末、一種の停戦状態となった。
魔を冠する者達も、勇者達も、強き者が軒並み死に、残ったのは戦えない者ばかりだったからだ。
長い時が過ぎ現在、人間社会は魔を冠する者の恐怖を忘れていた。
魔を冠する者の出現が減るにつれて怪物、モンスターが生まれ始めた。
モンスターは洞窟が書き換えられた建物、迷宮から生まれ続けている。
人間社会はモンスターの体内で心臓の役割を果たしている魔石に目を付けた、魔石は膨大なエネルギーを秘めており、そのエネルギーを資材に変換する技術を持ったためだ。
人は迷宮に赴き、モンスターを殺し、魔石を奪い、政府に売ることで生計を立て始めている。
人は迷宮に夢中になり、魔を冠する者を忘れる者が増えていた。覚えている、又は知っているのは研究者かオカルトオタク程度だ。
しかし魔を冠する者達はまだ生きている、始祖の三柱はまだ死んでいない。
人はこれからまた恐怖するだろう、魔を冠する者の力によって
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