第9話 「バズる!SNSの影響」

空中商店街、未来都市への第一歩!?




「ほな、市長!ワイらの商店街が未来都市の第一歩やって証明したるで!!」




松本太一の宣言により、市長は空中商店街の存続を正式に検討することを約束した。




「とはいえ、市としてもただ見守るわけにはいかん。今後の調査次第では、やっぱり撤去という判断になる可能性もある。」




市長のその言葉に、木下はホッと胸をなでおろす。




「せやけど、こっちもタダでは終わらんで!」




松本は燃えるような目で市長を見据えた。




「この空中商店街が、いかに未来に必要なものか証明したる!」


「ほう……期待しているよ。」




市長はニヤリと笑いながら去っていった。






空中商店街がSNSでバズる!?




その夜――。




「おい松本ォォォ!!えらいことになっとるぞ!!」




藤田親方がスマホを片手に叫びながら酒屋に駆け込んできた。




「なんや、今度は何や!?」




松本が驚いてスマホを覗き込むと……。




「#大阪の新名所#空中商店街」


「まさかの空中にある商店街!?こんなんアリなん!?」


「すごすぎる!これが未来の商店街か!」


「幽霊が裁判!?いや、意味がわからんwww」




「……え?」


「……おい松本、これ……」




「めっちゃバズっとるやんけぇぇぇぇ!!!」




SNSのトレンドランキングに「#空中商店街」が入っているではないか!!




「なんでや!?」


「そ、それが……海外の建築評論家が取り上げたらしいで!!」


「海外!?なんでそんなことになっとるんや!!?」


「それが……コイツの仕業や!」




藤田親方が指差した先には――




一人の外国人女性が立っていた。






国際建築評論家、マチコ・マルスカス登場!




「オーマイゴッド!!これこそ未来都市よ!!!」




金髪にサングラス、派手なファッションに身を包んだマチコ・マルスカスが、スマホを片手に叫んでいた。




「え、えぇ……誰や、この外国人……?」




松本は目を白黒させる。




「オゥ、失礼しました!ワタシはマチコ・マルスカス!世界的建築評論家です!」


「せ、世界的!?そんなすごい人が、なんでワイらの商店街に……?」


「フフフ……ワタシ、たまたまネットで幽霊裁判のニュースを見たのよ!」


「幽霊裁判かぁぁぁぁ!!!?」


「それで、『なんなのこのカオスな商店街は!?』と思って、ワタシすぐに大阪に来たわ!」


「行動力すごすぎるやろ!!!」


「だって、空中に商店街を作るなんて、こんなバカげた発想、世界中探してもここだけよ!」


「いや、バカにしとるやん!!!」


「ノンノンノン!バカじゃない!これは革命よ!!」


「革命!?そんなすごいことになっとるんか!?」


「ええ!!ワタシ、建築専門のSNSアカウントにこの空中商店街の写真をアップしたの!」


「……それが、世界中に拡散されたってことか?」


「そうよ!今や『大阪の未来都市』として大注目なの!」


「えぇぇぇぇぇ!!!?」






世界が注目!?空中商店街の可能性




「#SkyMallOsaka#未来の都市計画」


「世界中で空中商店街の可能性が議論されているらしい」


「大阪にこんな面白いプロジェクトがあるのか!」


「幽霊裁判ってなんやねんwww」




「こ、こんなことになっとるんか!?」




松本はスマホの画面を見ながら仰天する。




「こんなにバズったら、市も簡単には撤去できんやろ……!」


「ふふふ……その通りよ、マツモトサン!」




マチコは満足げに微笑む。




「世界が注目している今、市がこのプロジェクトを潰せば**『大阪は新しい挑戦を潰す街だ』と批判されるかもしれないわね?」


「おおぉぉぉぉ!!」




松本はガッツポーズを取る。




「ほな、これはチャンスやないか!!」


「ええ!ワタシはこの商店街をもっと広めるわ!」


「マジか!?ほな、宣伝頼んだで!!」


「オゥ!!Leaveittome!(任せなさい!)」




こうして――。


空中商店街は、SNSの力によって「未来都市」としての可能性を大きく広げた!






木下、再び混乱する




「ちょ、ちょっと待て!こんなん、ええんか!?役所としては、どう対応したらええんや!?」




木下は完全に頭を抱えた。




「いやぁ、ワイもわからんわ。」


「オイィィィィ!!」


「でもな、もうワイらの商店街は世界中の人が注目しとるんや!」


「……ちくしょう、また厄介なことになりおった……!!」




木下は完全に戦意喪失状態だった。




「でもなぁ……こうなると、市長も慎重になるかもなぁ……」




河合さちえがニヤリと笑いながら呟く。




「つまり……ワイらの商店街は、もう簡単には潰されへんってことや!」


「おおぉぉぉ!!!」




松本たちは歓声を上げる。


しかし――。




この空中商店街に、新たな危機が訪れようとしていた。






次回予告:第10話「ゴミ問題と住民トラブル」


SNSでバズった空中商店街!




しかし、観光客が急増したことでゴミ問題が発生!?




「オイ松本ォォォ!!ゴミが溢れとるぞ!!」




さらに、近隣住民とのトラブルも勃発!?




「こんなん、住民に迷惑やんか!」




次回、空中商店街の存続をかけて、環境問題との戦いが始まる!?




「空中商店街の奇跡」、次回もお楽しみに!!

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